25話 到着

「僕は行けない」


シリル・バークレーは2人の運転手とともに輸送ギルドに戻らないといけないのだという。


「わかった」

「心配しないで、終わったら行くよ」

「助かるぜ、弟よ」


アルミニウム伯の屋敷の門前、整然と舗装された大理石の道をタイヤで切りつけながら、一台の100mリムジンがレッドカーペットの前に5秒かけて駐車した。


リムジンの助手席から身だしなみの良い手伝いの男が最後部座席の扉に向けて走り出す。


屋敷の門が開き、アルミニウム伯が姿を現した。


アルミニウム伯がリムジンの扉の前に立つと同時に男は扉を開け、アルミニウム伯は深々と中の人物に頭を下げる。


「ご機嫌うるわ……」

「しくなくてよ!」


ハル王女は食い気味に答えた。


「えぇ……」

「さあ、早く案内しなさいな」

「長旅でさぞお……」

「疲れましたわ! ガメイ黒ブドウを使ったブルゴーニュの新酒を盛って来なさい」

「それはボジョレー……」

「わあ、広いではありませんか」

「お気に」

「気に入りましてよ。アルミニウム伯」

「何よりです」

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