第17話・ラック先生は多分胃痛になる
暫く気を失った後目が覚めたら自分の身体の変わりように驚いた。
まず魔力だ。
魔力が今までの10倍以上に跳ね上がっている。
そう。10倍以上だ。正直言って意味が分からない。
だって元々俺の魔力は赤子の時から行っている魔力増強によって軽く人外の域にまでいっていたのに・・・それが10倍だぞ。ヤバすぎるだろ。
これだけで少なくとも魔力纏や魔力砲の威力は跳ね上がっているぞ。それこそ魔力に比例するから10倍以上はね。
それだけで恐ろしい成長だ。
で、更にまだ身体に変化はある。身体能力が大幅に上がっているのだ。いやまだ具体的に動いていないから詳しくは分からないけど。確実に前よりも身体能力が上がってる。何故かって言うと、身体が異常に軽く感じるのに内から溢れ出るような力強さを感じる。
これは、凄いな。あの時は文字通り死ぬほどの激痛を味わって結構後悔していたがこう考えてみるとやってみて良かったわ。
にしても俺は今までどれくらい眠っていた?
まあ、周りの状況は気を失う前と変わっていないな。窓の外を見ても明るいな。多分数十分程度かな?長くても1時間と少しだろう。
さてと、諸々検証したりしたい気持ちはあるが、魔力が今体に漲ってるので、これを使わないのは勿体ないし日課の訓練しますか。
というわけでいつもの様に魔力を集めて魔石を作り出す。今回の強化で魔石を全部消費してしまったんでね。うん。魔石は大切ですよ。めちゃくちゃね。本当にマジで大切ですよ。
10分後
驚いたことにいつも以上に魔力の出が良く、スムーズに魔石を作れた。
作り終わってから、検証しようかと思うが、お腹がかなり減っているのに気が付き、校内地図を見ながら食堂に行く。
てくてくてくてくてく
中々に凄い人だった。
後何だろうな、場所のイメージとしてはアニメの高校とか大学での学食コーナみたいな感じだ。多分だけど俺みたいな転生者が作ったのか、案でも出したのかな?知らんけど。まあでも割と転生者はこの世界にいるらしいし、担任の先生であるラック先生はナチュラルに転生者だったり普通にあり得そうだな。
因みに食堂に今いる人数としてはそうだな300人くらいだった。
多分MAX1000人くらいは入れそうなイメージだな。まあいいや。さてと何を食べようかな。
学食メニューはって、凄いなカツ丼とかカレーとかハンバーグとか蕎麦とか、色々あるぞ。絶対日本人が作っただろ。というかラック先生の入れ知恵だろ【万能者】だなんてスキル持ってるし、料理も出来るだろうからな。
まあ俺としてはありがたいことこの上ないな。
じゃあ、せっかくだしカレーでも貰うか。
カレーを頼んだら俺はSクラスってことでタダでカレーを貰えた。Sクラス万歳ですな。マジ最高。というか何でSクラスって分かるんだろうと思ったら、俺今Sクラスって堂々と書いてある制服を着てた。うん。そりゃ分かるわな。恥ずかしい。
というわけで、適当に開いている席に座り、カレーを食べ始めた。
そしたらわけわからないことに涙が出た。
「美味しい。美味しい。美味しいよ」
気が付いたらそう泣きながら呟いてカレーを食べきっていた。
そしたらまた涙が出て来る。
多分俺は今懐かしんでいるんだ。
もう食べられないと思って、質疑応答にすら質問をせずに諦めていた日本にいた頃の味に。
よし、お代わりしよう。さっきの肉体改造?をしたおかげかまだまだ食べれる気がする。多分前の俺だったら絶対にギブしてるだろうに。マジでありがたいわ。おかげでまだこの素晴らしいカレーを堪能できる。
「すみません。カレー下さい」
俺は食堂のおばちゃんって感じの人にそう言ってカレーを貰った。
そうしてウキウキ気分で席に戻ってカレーを食べ始める。
暫く一人で美味しくカレーを食べていたら。
「おいおい、こんな所でガキが一人でカレー食ってるぞ」
「本当だ。可哀想過ぎるだろ。友達いないのかね?」
「多分そうじゃね。いや。しかし受けるわ。おいお前ボッチでカレー食べて美味しいですか?」
何か15歳くらいのチャラそうなクソガキ3人に絡まれた。まあこういうのは無視が一番なので無視する。
「おい。お前聞いてるのか。何か喋れよ」
無視する。
「おい。てめえ。ふざけてんのかクソガキ。ぶち殺すぞ」
キレられて胸ぐらをつかまれて持ち上げられる。
まあ今の俺は7歳の子供だし簡単に持ち上がるだろう。
流石にここまでくると腹立つので適当に殴ろうかと思っていたその時だった。
「おい。お前そんなにカレーが食べたいな。這いつくばって食えよ」
そう言って一人が俺の食いかけカレーを床にぶちまけやがった。
うん。なるほどね。なるほどね。
・・・・・・・・・
は?
「お前ら覚悟は出来てるだろうな」
俺はそう怒鳴って今俺を掴んでいるクソガキの股間を蹴りあげる。
グチャ
ちょっと、いやかなり態勢が悪く力は全然入ってないが、それでも俺の脚力、それも肉体改造?のおかげで更に化け物になってる俺の脚力だ。多分音からして潰れただろう。当然の報いだな。
そんな訳で俺の凶行に驚いたのか俺から手を離すクソガキ。
それに追い打ちをかけるように、ジャンプをして飛び、頭を掴んで急直下させてぶちまけられたカレーの所に頭を打ち付ける。
皿と当たってか、頭から流血しぴくぴくと一応は動いているが気を失い再起不能になる。
「キャアアアアアア~~~~~~~~」
それを見て近くにいた女子生徒から悲鳴が上がる。それによって周りを混乱しだして逃げ惑う。
まあ、もちろんその程度で辞める俺ではない。
俺のカレーをぶちまけたクソガキの手を握り肩を持ち、力を入れて引き裂いた。肉体改造の効果高いな。おお、裂けるチーズみたいで中々に気持ちが良いね。
「ギャア~~~~~~~。手が手が手が手が~~~~。いってええええええ」
そうやって叫ぶクソガキ。
そっから最後の一人が逃げようとしていたので、手に持っていた引き裂いた腕を思いっきり投げて頭に直撃させて気絶させる。
「ふ~。スッキリした。さてと、冷静になったらこの状況超絶ヤバいなどうしましょう」
・・・・・・・・・・・
辺りを見渡す。近くに誰も人はいなかった、皆が遠回きに、俺を恐怖の目で見ている。
なお俺の側には痛みで気絶してる馬鹿が3人。
後はその馬鹿の大量の血液。
・・・・・・・・・・
「知らないっと。俺悪くないし。向こうが悪いし。さて食事の続きをするか。カレーは何か気分乗らなくなったし、かつ丼食べるか」
というわけでかつ丼を貰う。
おばちゃんはあの惨状に気が付いていないのか、それとも気が付いたうえで気にしていないのか、よく分からないが優しい笑顔でたくさんお食べと言ってかつ丼をくれる。
マジでありがたい。
俺はかつ丼を持ってあのクソガキどもから離れた所に座って何事もなかったかのようにかつ丼を食べ始めて、食べ終わる。
まだまだ行けそうだったので蕎麦を貰い、蕎麦も食べる。
そうやって蕎麦を美味しくズルズルと音を立てて食べていたら。ラック先生が来た。
「あ、ラック先生どうもです」
一応挨拶をする。挨拶は大切だからな。
「どうもですじゃないよ。お前、何つう大惨事を起こしてくれてるんだよ」
ジト目でそう言われた。あきれられている感はあるが怒ってる感はないな。
「いや~~~、それほどでも~~~」
少しだけふざけてみる。
「褒めてないわ。いや。しかしそのネタ久しぶりに聞いたな」
「ああ。確かにそうかもしれませんね」
俺はついそうつい。友人と話す乗りでそう言ってしまった。そして気が付く俺ラック先生に自分が転生者って伝えていないことに。
「あれ?お前もしかして転生者か?」
少し驚かれつつも納得したような感じでそう言われた。
「はい。そうです」
まあ、下手に胡麻化しても無駄くさいんで、正直に白状した。
「そうかそうか。お前も転生者か。ということはうちのクラスは二人も転生者がいるんだな」
少し嬉しそうに言われた。しっかし二人ってことはケイゴのことか。
「そうですね。私とケイゴの二人ですね」
「何だ。お前ケイゴが転生者って知ってたのか。そうかそうか。じゃあ今度三人で転生者同士腹割ってお話でもするか?」
「良いですね。是非」
「そうかそうか。じゃあ機会があったら言うわって、違う。俺はお前に説教しに来たんやった」
何か一人ツッコミをし始めた。愉快な先生だな。いや俺のせいだけど。
「ゴホン。リクトよ。お前自分の起こした大惨事どう思う。一人は一物がおさらばし、一人は腕とお別れし、もう一人は、まあ軽傷だったけど。それでも二人は今後の人生を大きく狂わされた。それについてどう思う」
何か問いかける形式で怒られた。まあこういう自分の罪を自覚させてから怒るって人いるよな。
俺としては向こうの自業自得だし、悪いと一切思ってないのだが。
「いや。まあ自業自得じゃないですか。向こうが俺に絡んできたんですから、一物とおさらばして人は俺の胸ぐらを掴んで殺すと脅し。腕を引き裂かれた奴は俺のカレーを床にぶちまけて這いつくばって食えと罵った。最後の一人はおまけですけど」
というわけで自分の思ったことを正直に話した。
「なるほどね。まあ俺が聞いた話と一致しているな。そうだな今回はアイツらも悪い。だがな。お前の力ならもう少し穏便に済ますことは出来ただろう?」
「まあ。そうですね。正直あの時は結構頭に血が上ってたんでね。でも後悔はしていません。アイツらは7年ぶりにカレーを食べて泣いて喜んでいた俺からカレーを奪ったクズですから」
俺はそう熱く語った。その熱意に押されたかは知らないがラック先生はため息を大きく吐いて、怒るのをやめた。
「まあ。そうか。よしじゃあ今回の件はお咎めなしだアイツらは元々問題を起こしてたクズ共だしな。まあただ。次似たようなことがあればもう少し穏便に済ませろよ」
「はい。ありがとうございます。ラック先生」
俺はそう言って頭を下げた。というか普通に許すんだラック先生優しすぎんか?まあ俺としてはありがたいし、いいんだけどさ。
「じゃあ俺は仕事があるんで行くな。また明日な」
「はい。また明日」
そしてラック先生は去っていった。
その後俺は食べている途中だった蕎麦を食べ、食べ終わった後。またカレーが食べたくなったのでカレーを食べた。
そうしたら流石にお腹がいっぱいになってきたので部屋に戻ってフカフカのキングベットの上でお昼寝をした。
何かを忘れてる気がしなくもないが、まあ多分気のせいだと思う。(ついさっきまで文字通り死にかけてまで上位存在に進化した主人公)
その後、お昼寝から目が覚めたらいつもの訓練をして魔石を生み出し、質疑応答にポイントを入れていく。
そうやって日課をこなしたら、ふとこの学校には図書室が合ったのを思い出したので俺はワクワクのルンルン気分で図書室に向かった。
てくてくてくてくてく
図書室は恐ろしく広く大量の本が保管されていた。
例えるならそう大図書館だ。いや例えになってないな、世界的な不朽の名作であるハリーがポッターしてるあの神作品の図書館のようだ。
何というか流石だなって一言に尽きるわ。まあ学校だけど作りはお城だしね。あり得なくはないか。某作品の舞台となってる学校も城だったし。
いやしかしこの本の量は凄いな。取り敢えずそうだな適当に英雄譚とかでも借りて読んでみますか。
英雄譚系統、ようは本当にいた人が行った活躍が描かれた本を何冊か借りて部屋に戻った。
俺は割とこうい作品が好きなんですよね。元々前世でもライトノベルが最高に好きだったし。
部屋に戻ったらフカフカのソファーに座って本を読み始める。
数時間後
「ヤベ。思った以上に面白かった。何かこう滅茶苦茶リアリティのあるライトノベルって感じで超楽しめた。気が付いたら全部読んでた。もう一回図書室いこ」
そうしてもう一回図書室行き、本を返して借りて部屋に戻り読み始める。
数時間
「ふゃぁ。流石に眠くなってきたな。魔石を作ってから寝るか」
俺は魔石を作りというか訓練をした後、豪華なキングベットで気持ちよく寝た。
――――――――――
補足説明
称号【進化者】と【賢者の石の生産者】について。
進化者・・・人間という枠組みから進化した者に与えられる称号。
称号効果・・・人間を超越した力が手に入る。
賢者の石の生産者・・・賢者の石(別名・生命結晶)を生産した者に与えられる称号。
称号効果・・・生産するもの全ての品質が大幅に上昇する。
賢者の石とは死者蘇生すらも可能とする生命エネルギーの塊。
触れれば傷が治り。舐めれば力が湧き。食べればその莫大な生命エネルギーを取り込み基本的には死ぬが適応すれば絶大な力を得られる。
主人公リクトはそんな賢者の石の絶大な力を得られたことにより人間として進化したという設定です。
因みに進化した種族うんぬんは後々出すかもしれないけど、出さないかもしれないので、余り気にしないでください。
因みに賢者の石の作り方は幾つかあり、今回はそのうちの一つである、膨大な、それこそ常人の全魔力の何億倍という気が触れるレベルの量の魔力の結晶、魔石、それもただの魔石ではなく、禁忌魔法に指定されている、【生命魔法】と【魂魔法】を所持している者が生み出した魔石を集めて全てを凝縮することによって生み出せるという方法を使いました。
なお、この方法で賢者の石を作る場合は一定以上の大きさにはならずに死者蘇生の奇跡を起こす程の力はありません、それでも舐めるだけでありとあらゆる全ての傷が治り、魔力が全回復し身体能力が上昇する程度の効果はあります。
後蛇足かもですが、主人公の魔力うんぬんは適当設定です。
一応考えた設定として、賢者の石作成前の主人公の魔力は常人の数千倍以上、魔力回復はずっと魔力を使って魔石作成をしていたので、魔力回復系統スキルが生えているので、1時間程で満タンになる。
その上で取り敢えず睡眠時間等も考えて大雑把に1日10回全魔力を使って魔石を作ると仮定する。
常人の魔力は面倒なので1と仮定する。
魔石を作り続けてきた時間は7年である。
1年は365日であり、365×10で3650となる。
3650×7は25550、2万5千5百5十となる。
その上で主人公の数千倍の魔力を面倒なので適当に大雑把に平均して4000とする。
そしたら102200000。
1億2百万2十万となる。
まあ、もちろん、かなり大雑把な計算の上に、そもそも論として、幼少期の魔力量とかの方が低いですし、成長してった時の魔力量の方が圧倒的&魔力回復速度も速いです。
6歳の時点で常人の数千倍以上の魔力を既に持っている主人公が異常な魔力回復速度にモノを言わせて1日16回とか魔石を作ってる時もあるので、まあ実際の魔石量は多分もっと多いです。
正直常人の数千倍以上とか言う曖昧なことを書いてる作者が一番悪いのですがね。
まあ、正直そこまで魔力量に強いこだわりを持つ人はいないと信じてます。
多分。多分。
取り敢えず、あまり気にせず深く考えずに読んでください。
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作者のモチベーションが最高にアップします。
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