無限の迷宮
七生ナナナナ
第一部 カルディアの魔女
プロローグ
第1話 無限の迷宮001 プロローグ1
秋風が吹いていた。
この地方、この時間に吹く
人々が家路を急ぐ夕闇に、空ほの
二人は
否、これは”
”形”と言うには
銀髪の男が手を止め声をかける。
「今日はこれで」
黒髪の男が応える。
「ああ」
交わす言葉は簡潔であった。
既に日は落ち夜が優勢となった荒野の二つの影は街の灯へ向かう。
「いよいよだな」
「ああ」
二人の眼には強い意志が宿る。
「明日」
「明日、迷宮に」
───迷宮。
湖畔の都市ライナス。
湖と言うには巨大な内海のほとり、切り立つ山の半島の付け根に位置する都市ライナスには魔物が
明日二人は───初めて迷宮に挑むのだ。
灯へ向かう二つの影が止まる。
「怖いか?ギル」
「恐れるべきだろう」
黒髪の問いに銀髪の男が応える。
慎重な
「そうだ、恐れるべきだな」
微笑みながら黒髪がそのギルと呼ばれる男の肩を叩く。
「既に集まってます」
「そうか」
「急ぐか」
二人は
「酒場へ」
迷宮に挑む冒険者は酒場へ集う。
荒野の闇を
二つ、いや三つとなった影ははそのまま灯へ吸い込まれていった。
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