第69話 URガチャ

「なんで! ウルトアレアガチャ!  ガチャウルトラレア!」


どういう事だ。

なんでなんの反応もないんだよ!

ここで使えなきゃ意味がないんだ!


「ウルトラレアガチャ! ガチャウルトラレア! ユーレアガチャ! ウーレアガチャ!  あ〜〜!」


みんなが戦っている眼前の光景に焦りが募る。

一刻の猶予もない。


「どうなってるんだ! 壊れてるのか! ユーアールガチャ! 今なんだよ。頼む! 反応してくれ!」


思いつく全てをあげてみたが全く反応しない。

あとはなんだ? なにがある? それとも本当にスキルが壊れてしまったのか?

LRがレジェンドレアならURはどう考えてもウルトラレアだろ!

う、う、う、う、う、羽〜


「御門、こんな時になに遊んでんだ。俺は先に行くぞ!」


岸田、別に俺は遊んでるわけじゃない。必死に考えてる。これ以上ない程に真剣だ。

ダメだ.これ以上は全くなにも思いつかない。

INTの高い奴なら思いつくのか?

こんな時にINT3が足を引っ張るのか。

もうこのまま突っ込むしかないか。

やるしかないのか。


「オラあ〜! お前ら〜俺が来てやったぞ! もう1匹は俺が倒した〜! 俺に力を貸せ〜コイツも倒すぞ!」


岸田が赤茶のガーゴイルの前へと躍り出た。

岸田だけじゃ無理だ。どう考えても前衛をできるだけの強度が無い。


「御門くん、もしかして新しい能力が?」

「ああ、だけどダメだ。ダメなんだ。全然反応してくれない」

「URだよね」

「ああ、そう。UR。思いつく限りやってみたけどダメなんだ」

「御門くんの声は聞こえてたから、UR、UR、UR……Rはレアで間違い無いと思うけど、Uがウルトラじゃ無いとすれば。う〜んウルトラじゃないとすると……もしかしてユニーク?」

「ユニーク? ユニークレア? それだ! 頼む! 頼んだぞ! ユニークレアガチャ!!」


俺は祈るような気持ちで声を上げタップする指に全神経を集中させた。

俺の人差し指がスマホの画面をタップした瞬間、それまで変化のなかったスマホの画面の表示が変わった。


「引けた……」


スマホの画面に表示されていたUR1がUR0へと変化していた。

さすがは神楽坂さん.俺よりINTが高いだけのことはある。

いや、今重要なのはそこじゃ無い。

あの赤茶色のガーゴイルを倒す助けになる武器が当たったかどうかだ。

今松坂牛A5ランクとかがたとえ10kg当たったとしても何の役にもたちはしない。

祈るような気持ちで画面表示を見る。


「え……」


予想外の画面表示に俺は言葉を失ってしまった。


「御門くん?」

「あ、ああ……これって」

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