第1話『ミライメッセージ』3/4
トウキョウ異能学園マギ地下ダンジョン入口
そこでは多くの生徒でにぎわっていた。
やはり多くの生徒はこのダンジョンを収入源にしているのだろうか。
ダンジョンの入口は屋台が並んでいてそこでは様々な戦闘アイテムが売られている。その脇で新入生向けのダンジョン講習会が行われていた。
上級生と思われる生徒が壇上に立ち集まっている生徒に挨拶をする。
「こんにちは皆さん。私は、この学園の生徒会長の桜井と申します。今日は、皆さんがここ異能学園でダンジョン攻略について学ぶことができるよう、講習を行いたいと思います」
桜井は立派な制服を着こなし、手には一冊の本を持ってる。生徒たちは、彼女の話に興味津々の様子だ。
「皆さんは、この異能学園に入学する前に、ダンジョンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?」
生徒たちは、うなずきながら聞き入っている。
「ダンジョンとは、この学園周辺に存在する未知の空間です。その中には、危険なモンスターやトラップが待ち受けていることがあります。しかし、それらを乗り越えれば、貴重なアイテムや経験値を手に入れることができるのです」
桜井の言葉に、生徒たちはより興味を持ち始めた。
「ここでは、ダンジョンの攻略方法や、装備品の選び方、モンスターの弱点などを学びます。私たち生徒会は、皆さんがダンジョン攻略できるよう、全力でサポートします」
桜井の話が終わり、生徒たちは熱心にメモを取り始めた。今後、彼らがダンジョンに挑戦する際には、桜井の言葉を思い出し、より確かな足場を築いていくだろう。
ダンジョンで経験値を得てレベルアップにつながればステータスも上昇する。
そうすれば授業でも有利に働くはずだ。
オレはさっそく装備やアイテムを買おうと屋台へ向かう。
スターターソード:120,000p
HP回復ポーション:30,000p
MP回復ポーション:20,000p
思ったよりも高いな。
新入生はまだ早いのか?
それでも周りは新入生がいる気がする。
聞き耳を立ててみるとどうやら徒党を組んでダンジョンを攻略するらしい。
募集もしていた。
▽
募集異能系統:攻撃系攻撃職アタッカー ATK50以上
備考:女の子だと嬉しいです!
募集異能系統:魔撃系攻撃職アタッカー M P50以上
備考:報酬からMP回復ポーションの分は引かせてもらいます。
▽
等、募集はほとんどが攻撃職。
偶にあるのは盾役だ。
オレの異能は割と特殊なものに位置づけられる。
あえて言うなら支援系だろうか。
支援職サポーターはダンジョン攻略という点においてあまり人気ではない。
オレは今までヒーローになるためにいろいろと特訓してきたから気にしては来なかったが、支援系に異能は不遇に位置づけられる。
つまりどうゆうことか。
パーティを組むうえで必要とされない。
今なら入学したで組むことならできるかもしれない。
しかし、後々微妙な関係になるのは目に見えている。
オレはあきらめてバイトを探しに向かった。
▼▽▼▽
バイトの募集は食堂から見れるらしい。
校内清掃員:時給1000p
校内ショップ・屋台販売員:時給1200p
学食:時給950p
確かに世間一般から見たら普通の時給だが、ダンジョンで稼げる量と比べたら効率が悪すぎる。
しかも、ダンジョンでは経験値やアイテムなど今後役に立つものも手に入るが校内バイトではそういったものはない。
掲示板を見て悩んでいたら横から声をかけられた。
「こんにちは、バイトを探しているのかい?」
声をかけた男は学生服の色から先輩であることが伺える。
「あ、こんにちは。バイトを探しているのですがあまりいいのがなくて...」
「そうか、そういうことか。ちょっと話があるんだけど、付き合ってくれないか?」
オレは少し戸惑ったが、先輩の誘いについていくことにした。
先輩は主人公を連れて、食堂の外に出た。そこで、先輩はバイトの話を持ちかけた。
「君は校内のバイトではダンジョン攻略と比べて効率が悪いと考えていたのではないのかい?」」
驚いた。
オレは自分の考えていたことがまんまと当てられたことに驚愕しつつ毎年そういった考えに及ぶ生徒がいるのではないかと推察した。
「そうなんですよ!バイトでは経験値も得られないし今後の授業で差をつけられるかもしれないし...」
オレはそう言うと先輩はニッコリと笑った。
秀斗
「君は支援職サポーターじゃないかな?僕らが攻略に必要な情報を集めるのに、君の力が必要だと思うんだ」
そういうと先輩は続ける。
「あ、僕の名前を言ってなかったね。僕の名前は西野秀斗にしのしゅうと。僕たちは今後初期に支援職がダンジョン攻略で差をつけられないよう連合を作ったんだ。『支援職連合』。名前は安直だけどね」
「オレは蒼井勇也です。勇也でお願いします」
「オーケー。よろしく勇也」
「それで、どんなことをしているのですか?」
「うーん、詳しいことは言えないかな。でも、君が興味を持つかどうか、一度現場を見てから決めてくれないか?明日この場所で待ってるよ」
西野先輩はオレにそう告げると連絡先と集合時間を言い、その場から去っていった。オレは、西野先輩が言ったことを考えながら帰路についた。
▼▽▼▽
翌日この場所に集まったのはオレと西野先輩を含めた5人だった。
「やあ、昨日ぶり。来てくれたんだね」
3人は上級生のようだ
そしてもう一人は桜井美咲だった。
「紹介するよ。この2人は僕たち支援職連合の仲間だ。デカい方が防御職ガードの豪、長髪の方は攻撃職アタッカーの春樹だ。」
「...うす」
「よろしくっす!」
オレ達は挨拶をした。
「じゃあ早速役割を決めようか。できれば素材の剥ぎ取り、罠察知ができたらうれしいんだけど」
「オレは罠察知できます」
「お、よろしく勇也」
西野先輩は桜井美咲の方に顔を向けた。
「君は何かできることはあるかな?」
「...荷物持ち」
「オーケーじゃあこの紙にサインしてパーティー申請してくるから」
そう言って西野先輩は用紙を渡してきた。
紙にはダンジョン内での注意事項と怪我をしたら直ぐに戻ってくるよう厳しく書いてあった。
「じゃあ今日は2人は初めてだから上層の浅いとこだけでお試しみたいな感じで行こうか」
「よろしくお願いします!」
▼▽▼▽
「さあ、ダンジョン突入っす!」
春樹先輩が張り切って言った。
春樹先輩はお茶目な先輩なのだろうか。
「オレは罠察知するので先頭立ちますね」
オレは『未来視』フォーサイトで未来を見ながら罠を発見するつもりだ。
オレが提案すると、西野先輩が優しく微笑んで言う。
「僕も一応見て回るけど、気をつけて進んでね」
と応えた。
豪先輩は口数が少なく、「……」と何も言わないまま防御態勢をとる。
桜井美咲は、黙々と手で荷物を背負ってついていく。
しばらく進むと、オレが罠を発見した。
「ここに罠があります。気を付けて下さい」
オレが言うと、西野先輩は一瞬で罠を解除した。
「西野先輩、すごいですね。今のが先輩の異能ですか?」
と感心すると、西野先輩がニコリと微笑んで、
「今のは授業で習う罠解除だよ。ダンジョン攻略に慣れれてくれば勇也もできるようになると思うよ」
と答えた。
しばらく進むと、奥から何やら気配を感じる。
「奥にいるのはゴブリンっす!自分が先陣を切るっす!」
そして、春樹先輩が先頭に立ってゴブリンに向かって走り込んでいった。
豪先輩は攻撃に立ち代わり防御をし、桜井美咲は黙々と荷物を持ちながらついていく。オレは道中の罠を見つけ、西野先輩は罠を設置して、春樹先輩は攻撃していく。
パーティの連携を感じて少し楽しいのと同時に地味な役割を演じる自分に若干の苛立ちを感じた。
途中、オレがまた罠を見つけた。
「西野先輩、罠解除お願いします!」
オレが言うと、西野先輩は素早く罠を解除する。
そうやって安全に進んでいくと、春樹先輩が「ここにもゴブリンいるっす!」と言いながら先頭に立って走り込んでいった。
そんな中、オレは罠の設置方法に興味を持っていた。
「西野先輩、罠の設置って難しいのですか?」
オレが聞くと、西野先輩が優しく教えてくれた。
「基本的には授業で習うと思うけど簡単なものだったら誰でもできると思うよ。図書館にでも行けばやり方を書いてある教材もあるしね。もっとも中層以降のモンスターは頭がいいからより高度な罠じゃないと聞かなくなるし荷物も多くなるから普通の攻撃職の攻撃よりも劣るけどね」
「なるほど」
それでもモンスターへの攻撃手段になることには変わらない。
オレはATKのステータスが低いので武器を持ったとしてもモンスターへの有効な攻撃手段にはなりえない。
異能も攻撃的ではない為罠にはすごく興味がわいた。
オレのメインウェポンは罠にすることにした。
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