第9話 面倒なことたくさん

 んん。朝か。じゃあ、もう家に帰らないとな。朝は前世と比べるととても強くなったもんだ。



〜〜〜〜〜



「ロベルさん! 助けてください!」


「え!?」


 なんでいるの。おかしくない?だって金渡したじゃん。帰れるよね?


「馬がいないんです。」


「は? 探せってこと?」


「いいえ。私が突然あの場にいたように、馬が突然いなくなったんです!」


 ワケガワカラナイヨ。ウケイレタクナイヨ、ソンナコト。


「意味が分からない、意味が分からない、意味が分からない・・・」


「あの、大丈夫ですか。」


「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ・・・」


 そして、走り去ってしまった。


「ロベルさーん。行かないでよー!」



〜〜〜〜〜



 そのまま、走って走って走り続けて家に着いた。


「ただい・・・」


 とても慌ただしい様子に絶句してしまった。こんな様子は初めて見た。


「は、おかえりなさいませ。ロベル様。」


「あ、あぁ。」


「えっとですね。ロベル様も知っていると思いますけど、様々な物や人物がいなかったり、逆に把握していないのがあったりして確認作業に追われています。」


 うん。なるほど。現実逃避します。


「ロベル様にはカリア様やロマリア様、バルトロマイ様の面倒を見てくださるとありがたいです。」


「わかった。」


 このクソが。逃げないように釘刺ししてきやがって。ああ。行ったるよ。



〜〜〜〜〜



コンコン


「カリア、ロマリア、バルトロマイ...。」


「兄さん」

「お兄ちゃん」

「兄上」


「おお。大丈夫?」


「兄さんこそ大丈夫?」


「兄上。大丈夫だった?」


「それはまあ。なかなかまずかったけど。生きてれば大丈夫、」


「お兄ちゃん。みんな急いでる。怖いよ。」


「兄上。こんなの普通じゃないよ。」


「大丈夫だよ。少ししたら収まるから。そういえば、もうそろそろ魔法の授業じゃない?」


「それどころじゃないし、先生がね少し記憶が混濁してて休んでるから。」


「そうだったのか。」


 記憶の混濁ね。そんなことも。あれは何が起きたのか結局わからなかった。


「まあ、少しくらいなら魔法を教えるか。」


「ん!ありがと、兄さん。」



〜〜〜〜〜



ドン!


「大丈夫だったか。」


「お父様。大丈夫ですよ。」


「本当に大丈夫なんだな。」


「ま、まあなんとかね。」


 最悪死んでたかもしれないことは言えないな。少なくともこの場では。


「そうか。後でこれが起きたときのことを聞くからな。では、忙しくなってしまったからな。戻らないといけない。」


「ああ。わかったよ。」


 本当。突然入ってきてビビったよ。やめてほしいな。


「早く、続き!」


「もう、ロマリア酷い。」


「まあまあ。分かったよ。それにしてもびっくりしたよね?」


「そうだね。そもそも忙しいなら来るんじゃなくて行かせるものじゃないの?」


「普通はそうだと思うけど...。」

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