【完結】欲望の神さま拾いました

一花カナウ・ただふみ

欲望の神さま拾いました

自称神様お持ち帰りしました……?

第1話 やけ酒した翌朝に

 目が覚めるとともに目に入ってきたのは見慣れた私の部屋の天井。でも、私の視界には見慣れないモノが入り込んでいた。

 え、なんだ、これ。

 もぞもぞと動いたその陽だまりのようなふわふわの毛がのそっと持ち上がる。


「あ、やっと起きたんだね。昨日はずいぶんと荒れていたけれど、気分はどうかな?」


 端正な顔立ちの美男子がいた。

 あんまりにも綺麗な顔なので一瞬女性なのかと思ったが、広い肩幅とか発達した胸筋とかを見たら男性だとすぐに理解できた。

 って……裸?

 観察していて気がついた。

 私たちはお互いに裸である。


「えっと……」


 戸惑う私に対し、彼はにこっと穏やかそうに笑った。


「今日はお休みなんだっけ? 気分がすぐれないならお布団でゆっくりするといいよ」

「あ、あの。つかぬことをお聞きしますが」

「ん?」

「どちら様でしょう?」


 彼のショックを受けた顔がなかなかにインパクトがあって、美人もこんな顔をするんだな、なんて寝ぼけた頭で感想を述べたのだった。

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