足跡

安城

2023.1〜3

触れる以上握る未満のふたつの手

砂と少しの湿気を帯びて


私には解らないこの感情の命名権をあなたにあげる


遠くから見ていたかっただけだった

風にふくらむ白いワイシャツ


丈じゃなく顕になった脚じゃなく

美しいのは揺れるその裾


死ぬならば跡形もなく食べられて他の命の糧になりたい


ちゃんとした靴を選びに行くための靴をセールで買ってきました


ちょっとした楽しいことで空しさを希釈しながら息をしている


すくい上げてくれてうれしいはずなのに突き付けられたようで悲しい

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