戦隊ヒーロー異常アリ!?
酸化酸素 @skryth
多分戦隊ジャスティスファイブ
第一戦闘配備 多分戦隊ジャスティスファイブ
「なぁ、みんな聞いてくれ……」
これから始まる全ての冒険はこの一言から始まった。
「なぁに?いつもの作戦会議?アクトウダンの怪人なんて、弱々のザコばっかしなんだから、いつも通りにサクっと
二十二世紀になった現在、戦隊ヒーローと呼ばれる者達は存在する。それは陰に潜み、善良な一般市民を食い物にする悪者達を人知れず退治する……と言う話しではなく、職業として表舞台で堂々と悪者達を退治するヒーローとして……である。
「いや、そうじゃないんだ……。俺達、多分戦隊ジャスティスファイブは解散する事が決まったんだ」
「えっ……ウソ……でしょ?そっか!アタシ達をハメようとしてるドッキリよね?もうッ!レッドも冗談キツいんだから!冗談は顔だけにしてよねッ」
レッドの言葉にこの中で唯一女性のピンクは膝を付いて愕然としていたが、スグに吹っ切れた様子で悪態を吐いていた。
少なくとも、レッドはその悪態に因ってダメージを負ったのは事実だ。
「いや……この顔も冗談じゃないんだが、これは本当の事だ」
「ホン……トなの?ドッキリ企画じゃないの?ねぇ、ブラック、ブルー、イエロー!レッドの頭が可怪しいよ?どうにかしてよッ」
ピンクから突然話しを振られた三人はピンクと目を合わせようとせず、それぞれ下を向いていた。そして、頭が可怪しい呼ばわりされたレッドは更にダメージを負うのだった。
「実はなピンク、レッドが言った事だけど……私は本当だと思う」
「えっ?ブラックまで何言ってるの?アタシ達がジャスティスファイブを結成して、まだ三年だよ?アクトウダンの怪人も幹部も倒し切れてないし、解散したらアタシ達……無職になるんだよ?」
ピンクとしては、悪を憎んでいるからヒーローをやっている訳ではない。それはこのセリフからよく分かると思う。そして、他のメンツはどうかと言うのは追々明かされる事になる。
「無職なんてイヤッ!もうこんな楽な仕事を辞めるなんてアタシには無理ッ!ザコを甚振って、叫び声を上げながら逃げて行くのを後ろからサクっと
「いや、だからその……言い難いんだが、スポンサーが解散を決定事項として要求して来たんだ。そのうち、最後通告が来ると思う……」
その一言で、ピンクは轟沈した。
職業戦隊ヒーローが戦隊ヒーローとして活動する為には、スポンサーが必須なのは分かり切っている事だ。
スポンサーは先ず、戦隊ヒーローを戦隊ヒーロー足らしめる強固な
更に付け加えると、その命の見返りとも言える給料の額面も普通のサラリーマンとは二桁は違う。
拠ってスポンサーがいなくなれば、そういったアイテムはもちろん返さなくてはならないし、給料だって支払われなくなるので職業戦隊ヒーローは存続出来なくなる。
当然の事だ。
この五人、多分戦隊ジャスティスファイブは、こうしてスポンサーから解散の最後通告が正式に届く前に、依願解散と言う形で職業戦隊ヒーロー名簿からその名前を消される事になった。
斯くして、“元”多分戦隊ジャスティスファイブの五人はそれぞれの道を歩んで行く事になる——。
〜レッドの場合〜
俺は“元”多分戦隊ジャスティスファイブのチノイロレッドだ。
俺達はスポンサーからの最後通告が来る前に辞めた訳だが、それは間違いだった事が後になって判明した。
なんでかって?それは依願解散した事で、
だから俺はスグにバイトを探した。元戦隊ヒーローの俺が手っ取り早く稼ぐには、
簡単に言っちまうと、戦隊ヒーローと敵対している悪の組織にバイトとして就職したって事さ。
そこで戦隊ヒーローと実際に闘って、再び俺が戦隊ヒーローになる為に腕を磨く事にしたんだ——。
「で、ここは……何処だ?今日は有袋戦隊コアラーズと闘うって先日のマフィアラン会議で聞いてたんだが……ってか、ここってジャングルだよな?日本にジャングルなんてあったか?」
俺は悪の組織マフィアランに就職した。んでもって早2ヶ月。就職って言ってもバイトだから、マフィアランの怪人と一緒に現場に付いて行って、
戦隊ヒーロー達との暗黙の了解ってヤツだ。そして、何よりも
だから俺はこの2ヶ月間、マフィアランで必死にバイトした。それこそ寝る間も惜しんで、
まぁ実際に
目標があるって事は無理が利くってヤツだなって思ったよ。
こうして俺は今日もマフィアランの専用列車に乗って、現場に向かっていたんだが、気付くと見知らぬジャングルにいたって訳だ。
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