第14話 連携
『――2人前の料理が完成しました。料理によるスライムの素材消費量が一定を越えたことで、ユニークスキル【スライム料理強化】を取得しました。他のモンスターの素材を使わずにできたスライム料理の効果がグレードアップ上限関係なく上昇します』
――――――――――
【料理】
スライムティー【C+】
【モンスター別バフ効果】
痛み軽減、防御力強化中、物理ダメージ減少中、出血量減少
【選択バフ(共通)】
火事場の馬鹿力
【取得可能経験値】
90(180→540→1080)×2
――――――――――
「ミーク、お前にも渡しておく。飲み物ならそんなに腹は膨れないだろ?」
「スライムは流石に抵抗あるけど……あら、案外美味しいじゃないこのグロテスクジュース」
なみなみにスライムティーの入った水筒をミークに投げ渡すと、俺は早速それを一気飲み。
前に飲んだ時よりも雑味がない。
効果だけじゃなくその味も強化されてるみたいだ。
「なになになに? そんなの食べてパワーアップでもするの?まるでポ●イがほうれん草食べるみたいな? 面白いけど、そんなことしたところで無駄だと思うな」
「それはどうですかね」
『レベルが【29】に上がりました。ミークのレベルが【24】に上がりました。ノーマルスキル【飾り切り】を取得しました。深く切り傷をつけることに成功した場合、花の模様に傷口を広げます。パッシブスキル【計測】を取得しました。対象との戦闘によりその攻撃力、防御力を大まかに知ることができます』
レベル30には乗らなかったか。
でも本来なら5階層でも十分に通用するレベルなはず。
まだ差はあるだろうけど、一泡吹かせてやる。
「『真空波』!」
「!? へえ……」
レベルが上がった俺の真空波は案の定荒井さんにダメージを負わせることはできない。
だけどその脚に力を入れ踏ん張りを効かせているのが分かった。
ともあれ、これを続けるだけでは円の外に荒井さんを押し出すことはできない。
俺は殺すつもりはないが、牽制の意味も込めてサバイバルナイフで接近戦を仕掛ける。
「ふっ! やあっ! ……くそ、速い!」
「別に速くないよ。あんたの攻撃が単調だから避けやすいってだけ。こういった部分はレベルじゃなかなか補えないんだよね」
「当たらないなら……」
「ホールド。私一応これでも女だからさ、簡単には抱きつかせないよ」
俺の攻撃を狭い円の中であっさりかわして見せると、荒井さんはそれを拘束しようとする俺の手を叩いた。
痛み軽減が発動しているのに、頭のてっぺんまで響くような衝撃が襲い、俺はサバイバルナイフを落とす。
しかも、その隙を突かれ明らかに手を抜いたボディブローが腹を抉る。
ボディブローがじわじわと効いてくる、なんてよく聞くが荒井さんのその一発は即KOもの。
スキルがなかったら交通事故かと思う勢いで意識がなくなってたかも。
「ぐっ……。うっ……。まだまだ……」
「倒れない……。思ったより硬いし根性もなかなかじゃん。まさか私がこんな風に抱きつかれるなんて思わなかったよ。でも、それがかえってダメージに繋がるんだけど」
「ぐっ! あっ!」
荒井さんのボディブロー連打。
ナイフもない、手も出せない、鯖折りが決まる相手でもない。
もうこうして抱きついて動きを止める必要なんて無さそうに見えるが……。
「ミーク……」
「わかってるわ! ふふ、なにも一対一じゃないと駄目なんて決まりはないわよね」
油断と拘束。
こっそりと背後に回り込んでいたミークはその最大のチャンスを生かそうと、その角をキラリと光らせ荒井さんの懐に突っ込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。