7−3
浴槽に浸かると、立ち直ってきて。
愛華さんに悪いことしちゃったな…。と反省すると、謝るために急いで部屋へと戻る。
「むつき〜。ほんとごめんね…。」
ドアを開けると同時に、先に愛華さん謝られてしまい。
「う、ううん…!も、もう気にしてないから…!そ、それに私が勝手にショック受けただけで…。あ、愛華さんは悪くないよ…!ご、ごめんね…。」
慌てて謝り返すと。
「うぅ〜。むつき優しい〜。」
と、愛華さんが言うと抱きしめられてしまう私だったけど、もうショックを受けることはなく。
だけど、急に抱きしめられたことと、さっきから当たる感触で今度は顔が赤くなってしまう。
「あ、愛華さん…!ちょ、ちょっと離れてもらっても…!」
「わ〜ん!やっぱりむつき怒ってる〜!嫌いにならないで〜!」
「お、怒ってないよ…!そ、それに嫌いになんてなってないし…!こ、これからも嫌いになるなんてことないから…!」
「ほんと…?」
「う、うん…。あ、愛華さんを嫌いになるなんて考えられないから…。」
だって、愛華さんと百合友になってから毎日が楽しくて。
これからも楽しくなるなって思うし。
ずっと一緒にいたいと思っていて。
愛華さんのことを嫌いになる未来なんて想像出来ないから。
って、さすがにここまでは、まだ恥ずかしくてちゃんと言えないけど。
とにかく嫌いにならないことだけを伝えた。
すると、愛華さんは照れた様子で。
「えへへ。あたしもむつきのこと嫌いになんて絶対にならないよ!」
と言ってくれて。
喧嘩したわけじゃないけど仲直り?をすると、また二人で笑い合っていた。
それから、髪を乾かそうとした時。
「あ!むつきー!あたしがやってあげるー!」
と、ドライヤーとブラシを手に持ちニコニコしている愛華さんのお言葉に甘えることにした。
「えへへー!むつきの髪ってサラサラだし、長い黒髪が綺麗だよねー!」
と、私の髪を乾かし、ブラシで整えてくれながら褒めてくれる。
愛華さんは毛先にパーマをかけていて、茶色に染めた髪も似合っていてオシャレで。
対して、私は特になにもしないで、ただ伸ばしているだけなのに。
それでも、愛華さんは褒めてくれて、私は照れながら。
「あ、ありがと…。で、でも愛華さんの方がオシャレで良いと思うけど…。」
そう伝えると。
「あたしはくせっ毛だから、むつきの方が良いと思うんだけどなー!そうだ!ねーねー!ちょっとだけ触ってもいいかなー?」
と質問され、いいよと伝えると愛華さんは嬉しそうに髪を優しく撫で始める。
そうされていると、なんだか気持ちよくて、しばらく堪能していた。
やがて満足したのか愛華さんが手を離すと。
「はぁ〜。むつきの髪気持ちよかった〜。」
と、嬉しそうで。
私も触ってもらったことが気持ちよかったことを伝えると、また触らせてね!という愛華さんのお願いに、もちろんいいよ!と伝えると喜んでくれて、私も嬉しくなってくる。
その後、二人で漫画を読んだり、百合漫画を語り合うと時間は過ぎていき。
そろそろ寝ようかという話になる。
ただ、ここで一つ問題が発生してしまう。
それは、ベッドが一つしかないということ。
なので、愛華さんに私のベッドを使ってもらい。
私はお母さんのベッドで寝ようと伝えたのだけど。
遠慮する愛華さん。
二人で話し合うと最終的に、一緒に寝よっか!という愛華さんの提案に、特にほかに良い案が見つからなかったので、同じベッドへ。
こういうのに慣れていない為、緊張しながら愛華さんと会話をする。
「えへへ。こうしてると懐かしいなー!」
「な、懐かしい…?」
「うん!あたし昔はよくお姉ちゃんと一緒に寝てたんだ!」
「あ、愛華さんお姉さんいたんだね…。」
「いるよー!今は忙しくてなかなか会えないけど!すっごい美人で自慢のお姉ちゃんがね!ちなみにお姉ちゃんも百合漫画が好きなんだよ!」
「じゃ、じゃあ愛華さんが百合漫画を読むようになったきっかけって…。」
「そー!お姉ちゃんの影響!」
と、嬉しそうな愛華さんは続けて話す。
「あ、そうだ!実はむつきのことお姉ちゃんに電話で話したんだよ!百合漫画が好きな子と百合友になって、いっぱい語りあったんだって!そしたらね、お姉ちゃんむつきに会いたがっちゃって!」
「え、え…?そ、そうなの…?」
「うん!お姉ちゃんもむつきと百合漫画の話したいーって!だから、むつきさえよかったらお姉ちゃんに会ってあげてほしいんだ!いろんな意味でびっくりするよ!」
「う、うん…?あ、で、でも…。う、上手く話せるかな…。」
「大丈夫だよ!百合漫画語る時のむつき、すごいもん!」
「あ、愛華さんだってすごいよ…?」
「えー!そうかなー!」
「そ、そうだよ…!」
と、笑いながら話すと緊張も解けていく。
「今日むつきのお家泊めてもらえてよかったなー!すっごく楽しいもん!」
「わ、私も楽しいよ…!」
「えへへ!それならよかったー!」
「ま、また泊まりに来てくれる…?」
「もちろん!あたし一人暮らしだから、ほんと言うと寂しい時もあってね。だからまた泊まらせてね!」
「う、うん…!」
「えへへ!むつきありがと!」
なんて会話を続けていくと時間は経っていき。
やがて、眠くなっていくと二人で眠りにつくと、愛華さんとのお泊まり会は終わる。
テスト開始まで残り2日。
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