第61話 ホワイトソード

級冒険者パーティー ホワイトソードのメンバーがライン王国に到着した


「久しぶりマルクス」


「ああ、久しぶりだね。アゼル」


約5年ぶりの再会にお互い抱き合った。S級冒険者パーティー ホワイトソードリーダーのアゼル・ロンティーヌ。幼少期からマルクスと互いに剣術を高め合っておりスキルを除けばマルクスと互角以上の実力者だ。そして、マルクスと同様の美男子である


「ゴング・アブラムスだ。剣聖殿、今後ともよろしくお願いします」


2mほどの身長を持つこの男は、王国屈指の力自慢である。戦闘では巨大なハンマーを振り回して戦場を滅茶苦茶にすることで有名だ


「オスカル・グッドマン。よろしく」


続いてこの何とも根暗そうな男は、隠密行動に長けた元殺し屋だ。アゼルを殺すことができず、結果パーティーに所属することになった経緯がある


「それで・・・最後の子は初めて見るな・・もしかしてアゼルの娘か?」


「なわけ・・こいつは俺たちの希望の星だよ」


少女は初対面の相手に緊張し、アゼルの後ろに隠れてなかなか出てこようとしない


「ココ、挨拶くらいしろ」


アゼルに言われようやく観念したかのようにトコトコと前に出てくる


「ココって言います。よ・・よろしくおねがいします」


ココと名乗る少女は、剣聖を前にして深々とお辞儀をした


「よろしくね。ココちゃん」


恥ずかしさに限界が来たのかココはひょいとアゼルの背中にまた隠れてしまった


「この後、ハイエル様との面会がある。終わったら夜みんなで飲みに行こうぜ」



「いいね、待ってるよ」


アゼル達は旧友と軽い挨拶だけかわし、王宮へと進んでいった





「さーて、ここからが大勝負じゃない」


不敵に笑うのはカミヤ国魔王ルミナの親友でもあり、大企業ニーホンの社長でもあるアリスだ


「はい。アリ・・社長」


副社長のマリはまだアリスのことを社長呼びすることに慣れていない


「レナは上手く王国内部に忍び込めたみたいだね」


「はい、私の妹であればこのような仕事など容易い事かと」


レナには特別任務で王国内部に侵入してもらっている。一度撃ち込まれた毒はライン王国内を深刻に蝕んでいるだろう


「ちなみに最近の売り上げはどうなの」


「はい、右肩上がりの状態をキープしております」


ニーホンで売っている物はこの世界に存在するものに限ることにした。例えば衣服や陶器、武器など。最先端すぎる技術は多くの目を集めすぎるからだ。しかし、見えないところ、つまり物を作る機械はアリスの脳内にある最高の技術で作り上げた。生産量を上げ、コストパフォーマンスを大事にしている


「安定してきたら、社長の座は譲るから。頑張ってね」


「はい、期待通りの働きができるよう日々精進してまいります」


じゃあねーと手を振るとアリスは空間移動を使いスプレッド邸に戻った。しかし、この後アリスは予想外の事態に・・・

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