第31話 侵攻
「みんな集まって」
「ルミナ、そんな真剣な顔してどうしたんだ」
新しくき綺麗になった城内の会議室に全員が集合した
「今、人間の軍隊がこちらに向かって進行を始めている。これに対しての作戦を考えるんだけど・・・」
人間とやりあうのか・・いや優先すべきは俺たちの命か
「でも、なんで急に。俺らの逃げた先がバレてるってことなのか」
「お兄ちゃん、この人間の遠征は以前から計画されていたんだと思う」
ん、余計訳が分からなくなった
「スグル、要するに一度滅んだこの国を調査するための侵攻と考えるべきだよ」
そうか、一度滅ぼされたこの国は人間からしたら領土を広げるチャンス。魔人協会とやらに滅ぼされてしまったこの国は無法地帯と大差ないのか
「でも、他の魔族が攻めてくることはないの。例えば、隣の不死者の大王とか」
「いえ、魔族側のすべての国に私の生存を伝えている。私たちは互いに不可侵の決まりがあるからその可能性は低いわ」
そうなのか。じゃあ、まず考えるのは、どう撃退するべきか。
「ちなみに敵は何人くらいだ」
「100人よ」
終わったああああああああ
敵100人に対しスグル達はたったの6人だ
「俺ら6人でどうするんだよ」
「スキル持ち以外は瞬殺できるから大したことじゃないわ」
さすが魔王だな。発言がかっこよすぎる
「本隊は、スグルとレオと爺やで抑えられるんじゃない」
え、俺?確かに師匠は強いけど・・・
「はい、お嬢様。特訓の成果を出す良い機会でしょう」
「兄貴、頑張りましょう」
三人で戦うって相当舐めてないのか
「あとは、他に分散してる部隊を私とアリスでやるってことで」
まあ、アリスが危険なとこに行くくらいなら俺が戦う方がいいか
「まあ、ここまで来たらやるしかねえか」
死ぬほど辛かった師匠との特訓の成果が出ることを切に願っている。
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「アリス、本当にあれでよかったの」
「いいよ、お兄ちゃんなら絶対できるし」
アリスは私の知らないとこで動いている。今回の敵は人間だけではない。私の国を滅ぼした魔人協会も関わっている
「ルミナはここから状況を見て、適切な指示をお願い」
「りょーかい」
アリスには大変な役割だけど、実力は認めているから全く心配していない。それよりスグルたちは本当に大丈夫なんだろうか
「ねえルミナ、魔人協会の刺客、生きたまま持って帰ってきた方がいい?」
「別に私が弱かったから負けたし、恨んでないからいいよ」
アリスは人間であるが、思考が魔族なんかよりも冷徹に感じてしまう。過去どんなことがあったのだろうか
「では、行ってきます」
私は、アリスと契約で友達になってるからこんな感情を抱いているのだろうか。人間ってよく分からない生き物ね
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「ナバル様、もう少しで旧吸血鬼城に着きます」
私はこの遠征で結果を残さなけばならない。平民であるこの私を迎え入れてくれたコロニアス陛下のためにも・・・
ナバルは何としても成果が欲しかった。恩返しのために
「失礼します。先程、別動隊として派遣した部隊との連絡が途絶えました」
やはり、ここは勢力を伸ばすためには絶好の機会。他の国や魔族、魔人協会が関わっていてもおかしくない
「この先は全員で行動することにする。なるべく状況を確認したのちすぐに帰還する」
今回の遠征でできることはこれくらいであろう。部下一人ひとりに家族がいる。騎士団長である私ができるのは部下の命と有用な情報を持ち帰ることだ
「ここで一旦、陣を取る。ここからは私と少数精鋭部隊で行動する」
さて、この先には何があるのだろうか
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