嘘つき魔王と箱入り王女

峰村尋

─登場人物紹介・及び設定─

 ※一話以降の情報を含みます。

 大陸図は近況の3月16日に記載。


 ~〝雑種の国〟イーヴィス~

 ─アールマン・ハイトン

 イーヴィスの王。通称〝魔王〟。

 魔術に対する造詣は国内随一だが、それ以外の戦闘能力は並程度。剣を取らせれば並ぶ者なしと謳われた父から教えを受けていたが、才能は無いと断じられた。指揮能力は特筆するほど高くないが、作戦立案能力が高いため有事の際は自ら陣頭指揮を取ることもある。

 ─リィン・ツァンバ

 イーヴィスの軍部最高位である将軍。アールマンの幼馴染み。

 魔術の適性は低いが剣術に秀でており、戦闘指揮能力も高い。アールマンとは違い、先王から剣術の才能があると称された。将軍としての能力に自信を持っているが、替えの効く存在であるとも認識している。そのため、リィンが考える自分の優先順位は他の者が思っているよりもかなり低い。

 ─ラビ・コニー

 リィンの部下。通称〝白兎〟。

 戦闘能力はかなり高いが、指揮能力は低い。将として兵を率いるより、兵と共に前線で戦う方が性に合っている。

 アールマンに出会った頃は、自身の抱く感情がどういう類のものなのか判断が付かなかったが、ミンス卿という魔王信奉者との遭遇により崇拝に近い尊敬へと変化した。そのような経緯もあってミンス卿とは話は合うが、策謀家の面もある彼の性格は嫌いなのでラビの方から話しかける事は無い。

 ─ファルン卿

 イーヴィスの大臣。本名はファルン・グイル。

 主に農林関係と外交を担当している。アールマンの年少期は教師役を任されていたほどに優秀。魔術に関してはアールマンが師と認める程の巧者。

 ─プーシ卿

 イーヴィスの大臣。本名はプーシ・ケプス。

 内政の危機管理や対策、金融の面を担っているが、半ば隠居している。

 ─グラッド・タスマン

 筆頭軍医。平時は城下町にて診療所も兼務。

 ─シロ

 所属は近衛隊となっているが、実質的にはアールマンの私兵。〝旅人〟。

 名前を覚えるのが苦手……と言うより、覚える習慣がない。周囲は改善させようとしているが、まだまだ時間がかかりそうである。

 実は、薬の調合が出来る。

 ─ミンス・アルケー

 元近衛隊第二部隊隊長。〝愚昧卿〟。


 ~〝人間の国〟エンピス~

 ─カルマ・エンピス

 エンピスの前国王。

 ─ブラン・エンピス

 エンピスの王。妹煩悩。

 ─セリス・エンピス

 エンピスの王女。イーヴィス王城に居候中。

 特殊な環境で育ったため、精神的に未熟な面が目立つ。本人も自覚は無いが模倣することを得意としており、大抵の事は実践している所を見れば真似出来る。

 ─ディアン・ドーガ

 エンピスの将軍。称号は〝盾〟。

 守るよりも攻める方が得意。個人の戦闘能力、指揮能力共に非常に高い。

 ─シアン・ルーティス

 エンピスの将軍。称号は〝剣〟。個人の戦闘能力はそれなりに高く、指揮能力もかなり高い。戦局に合わせ、臨機応変に対応することを得意としている。

 ─〝勇者〟

〝聖剣〟の担い手。


 ~〝竜の国〟グラン~

 ─アルク・アンブル

 グランの大公。通称〝竜翁〟。

 戦闘能力、指揮能力共に非常に高い。アールマンを息子か孫と同様に見ており、他の血族を含めて自身亡き後のグランを任せられるのはアールマンの他に居ないと判断している。

 ─ユウリ・アンブル

 アルクの末っ子。イーヴィス王城で暮らしている。

 我が道を行く気質だが、一途。

 実は、姉二人とは母親が違う。

 ─アイリ・アンブル

 ユウリの姉。グランの財務官。長女。

 ─フウリ・アンブル

 ユウリの姉。アルクの秘書官。次女。

 ─ラグ・アンブル

 フウリの子。槍使い。双子。

 ─ドナ・アンブル

 フウリの子。大剣使い。双子。


 ~〝獣の国〟ハイビス~

 ─リア・コニー

 ハイビスの長。通称〝獣の王〟。

 ハイビスの中では珍しい知恵者だが、獣人族全体が短絡的な傾向があるためにそれを十全に発揮できたことはない。

 ─ルキ・コニー

 リアの養子。次期群長。

 ─スー・セイ

 リアの部下。ビートの相棒。

 ─ビート・シナー

 リアの部下。スーの相棒。


 ~〝水の国〟アロット~

 ─ルリ・マード

 中立国家アロットの王。〝赤潮の錫〟の担い手。

 ―ハヴ・マード

 女王代理。


 ~〝鳥の国〟イスカ~

 ─リフィルド・マーカー

 イスカ評議会議長。通称〝天空の覇者〟。

 革新的な政治姿勢と重ねた実績、そして個人の武力も合わさって、老若男女羽根の有無を問わず絶大な人気がある。

 ―フューリー・マーカー

〝羽根なし〟から英雄視されているリフィルドの妹であることから、周囲から『妹様』と呼ばれている。最初は戸惑いこそしたが、直ぐに慣れた。


 〜〝森の国〟ルーフェ

 ―アルミス・アルケー

 通称〝三日月のアルミス〟。



 ・異種族間婚姻について。

 ほぼ全ての国において、種族間での婚姻は禁止されているか、禁止されてはいないものの推奨もされていない。その大きな理由として、産まれてくる子供が双方の体質を劣化して受け継ぎやすいことにある。例えば翼人族と獣人族の間に子が生まれたとすると、その子供は獣の特徴と翼、或いは鳥の特徴を持って産まれてくる。獣人族の血を引いているため身体はそれなりに頑強ではあるが、翼人族の血を引いていても飛ぶことは出来ない。そんな半端な存在となるのだ。つまり、異種族間婚姻の禁止、或いは非推奨は種としての劣化を防ぐための防衛措置とも言える。それでも稀に決まりを破って子を成す者達がいるが、そういった者達は排斥され、子を捨てるか国を捨てるかの二択を選ぶこととなる。その後者を選んだ者が辿り着くのがイーヴィスである。


 ・魔族について。

 親が純血の場合は混血種と呼ばれ、更に血が混じると魔族と呼ばれるようになる。これは【魔物のような種族】の略称であり、元は蔑称であった。今ではイーヴィスに住む者の総称として扱われることの方が多く、イーヴィスの国民も自らを魔族と呼称し、蔑称であるという認識はほぼ無い。代わりに蔑称として使われているのが〝雑種〟である。


 ・名の呼び方について。

 基本的にアールマン(名)・ハイトン(家名)となり、通常は相手の名前を呼ぶ時は家名で呼ぶものだが、イーヴィスでは家名よりも名で呼ぶことの方が多い。これはイーヴィスが家を追われ国を追われ、逃げ延びてきた者が集まる国である為に、家名で呼ばれる事を厭う者が数多く居るからである。


 ・時間について。

 一日を二十四に割り一刻とする。六十分=一刻。

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