日記

2023.3.30 浮気妄想

　夫が、月に一回、二・三日、泊まりの出張があるようになるみたいで。

　子供に言い聞かせているのを隣で聞いて、私のほうが「え～～……」なんて大人げない反応をしている。

「仕事ならしょうがないけど、さみしいよねぇぇぇぇ」

　寂しさは、本当。

　しかし、正直、私は心根がアレなもので、よくあるドラマの世界を想像してしまうんである。

　二・三日の泊まりで、楽しいゴハン屋さんに行こうとした男性Aは、風〇までは嫁が怒り狂いそうだと思い、ちょっとした食事のおともに女性と話せれば、という軽い気持ちでガールズバーへ行くのである。

　そこで若くてかわいらしい女性を見つけてしまう。話してみると意外としっかりとして大人っぽく、自分を持っているタイプだったので、「これは人間としての興味で」と思いながら、友達になってしまった。

　気が付くと、ガールズバーに行くたびにその子を思いドキドキしてしまうようになるのである！！！！

　浮気のつもりはなかった。出来心だ。嫁も子供も大事だ。でも、可愛いものは可愛い！

　わかる！　わかるんじゃクソー！！！！

　可愛いもんは可愛いんじゃー！！！

　夫は、そういう場所に私も一緒に連れて行こうとするタイプである。

「一人で行くと浮気になる。が、あの空気は好きだ。そうだ。嫁はバイなのだから、二人でガールズバーに行けば、嫁も可愛い女の子を眺めることができて嬉しいに違いない。それに、嫁の人生経験や社会勉強にもなる、一石五鳥ぐらい！　そうだ解決！」

　っていう思考の流れじゃないか？　私をガールズバーに連れて行ったの。どうなんだ？

　正直、一人で行ったら楽しいかもしれないけど、夫と一緒に行ってもなぁ。（はい。私の方が考え方がタチ悪いです）

　ああいうのは伴侶と行くものではなくない？　かといって浮気する気はないので、一人で行くかと言われると行かないけどさ……。

　メイド喫茶はノリノリで行ったけど……。私はヤキモチ焼きなので、夫を壁が見える側に座らせ、自分だけ可愛いメイドさんを眺められるようにした。

　だいぶ性格がわるいが、そこは男友達と行くわけではないのでわかってほしい。

　私はメイドさんが可愛いというのに共感する面もあるが、一方で、ヤキモチを妬く側のポジションでもあるのだ。

　本人にも言った。

「自分は見たい、見たいが、彼氏が可愛い子を見るのは妬ける。このジレンマ。板挟みじゃー！」

　ちなみに、私が夫に頼んで、一人では行けない場所に連れてってもらったこともあり、それはめっちゃ楽しかった。

　ストリップショーだ。

　ショーを観た後の私の目、ぜったいキラキラしてた。演劇としても良かったからね。「見せる」のが上手かった。360度どこから見ても美しいように作る舞台！　ずっと観に行きたかったので、一緒に行ってくれたことに感謝している……、

　なんの話だっけ？

　そう、つまり私は、「若くて可愛い女の子見て浮かれちゃうなんて、あり得ない！！」とか、「人間そんなバカじゃないでしょ」とか、「私ならそんなことないのに！」と……、

　言えない、言えないのよ、……、

　むしろ、「世の中、素敵な女性いっぱいいるもんね」と思ってしまうからこそ……、

　出張があると聞いただけで、浮気妄想なんかするんである！

　違うの。夫がそういう人間だと疑っている訳じゃないの。自分を基準にモノを考えて、人間って割とあの……魔がさす瞬間ってあるんじゃないかと……、

　だめだ、危ういのは私の側じゃん。ドツボにハマってきた。

　でも、こんなフワフワしてても、今まで一回も本当の浮気ってしたことないんだよな。

　付き合ってる人いるときは、色々誘いめいた事があってグラつきかけても、そっち行かないんだよ。たぶん向いてない。

　こういう妄想は、小説に書いて厄落とししよう。そうしよう。