望郷

光が遮断された寝床には

馴染まない異郷の土のにおい


故郷を発ってもう幾星霜

一日は棺桶から始まり

棺桶で終わる


詰め込んだ故郷の土は

少しずつ漏れていって

今はもうひとにぎり


眠りにつくたびに鼻につく

見知らぬ土地のにおい

反比例して

故郷の夢を見ることが増えた


そろそろ帰ろうか

ああそうだ

まだ人だった頃に見た

故郷の月はとても綺麗だった

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