螺旋飛行

大きなコウモリになって飛ぶ

眼下の街は夜も明るい

背面飛行

頭上の空は星が眩い


くるくる、クルクル

何度も体をひねる

翼膜を撫でる風がねじれて

次第にどちらが空か分からなくなった


くるくる、クルクル

思考もねじれる

記憶もねじれる

僕は吸血鬼か、コウモリか

でも血を吸われる前は人間だったはず

今は人外、元は人間

存在ごとねじれていった

結局のところ僕は何だ


くるくる、クルクル

きりもみして落ちていく

翼を失くして

もう飛べない

疑ったら終わりだね

螺旋を描いて墜落死

土に還っていく

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