2025/1/23 夢の続き

 昨日見た夢の続きだった。


 親がしたことにショックを受け、靴を履くときにいつも腰かける場所に座って泣いていると、書類をもってきたおじさんが私の目線に合わせてしゃがんで落ち着かせるようにしているのか、優しく笑っているところからだった。


 そのあとなんて言っていたかは気持ちが落ち着いていなくて覚えていないけれど、怖い言葉じゃなくてちょっとずつ落ち着いてきたことだけは覚えているし、夢の中でも同じような状態をたどっていた。


 おじさんとあの人が家を出るとき「こんなくそみたいな親のところよりましだろう」と、書類のおじさんが言っているのを、あの人が追いかけながら売らせないようにいろいろ言っていたのを見送った。


 見送っていると、あの書類のおじさんは良い人じゃないかと思えている夢だった。


 みんな帰った後に父が「売らせないしどこにも行かせない」なんて言っていた。


 安心できたはずの言葉が逆に怖くてたまらない言葉だった。


 やめてといって泣いていたのに名前を書いて印鑑を押して、書類のおじさんが幸せにするようなことをいった後だったから、お前なんか幸せにしないしいじめ続けてやると言ったニュアンスにしか聞こえなかった。


 次の日学校へ行くと、あの人はそこにいたのに知らないふりして別人だと言い張ろうとしていた。


 すごく怖かった。父親もあの人も。




 目が覚めると、昨日と違って心臓は痛くなかった。


 付き合わなくて良かったという気持ちと、売られていたらどうなっていたんだろうという考えが浮かんできた。


 もし売られていたら、先輩と会うことはなかった。


 それはすごく悲しくて寂しいことだけれど、もし売られていたら先輩が死ぬことはきっとなかったかもしれない。生きていてほしかったから私は売り払われているべきだったんじゃないか?


 人身売買はほとんどは悲惨な末路をたどっているだろうし、幸せになれるのはほんの一部だと思う。だから肯定すべきなのかどうか……。


 いろいろなことを考えながら起きるのも少し楽しかったけれど、先輩のことを思うと気分が沈んできた。


 私さえいなければ、今頃どうしていたのだろうか?


 漫画家デビューしていたかもしれないし、辛い思いをさせずにすんだかもしれない。


 知り合えることはなかったかもしれないけれど、きっと死ぬことなんてなかったと思うと辛くなってきた。


 もし売られていて、会えなかったら。


 先輩はきっと漫画家になって、その人柄の良さが大勢に愛されて、幸せになっていたかもしれない。


 でも、売られていたら弟はどうなっていただろうか?


 庇えなかったんじゃないだろうか?


 もしもなんて考えたところでキリはないけど、少なくとも先輩は死ななかっただろうなという結論にしかならなかった。

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