2024/10/4 猫と冒険の夢
猫の世話をしている夢だった。
世話をしているといっても、私はひたすらエサを集めているだけだった。
いろいろな場所を旅して、たくさんの魔法を見て、たくさん疲れてゆっくり眠っていた。
寒い地域で迷路のような氷の壁を作る魔法使いと知り合ったり、海辺で魚をたくさんとる人と知り合った。
実家の城下町がもっと栄えてたらこんな町並みなのかなと思うような場所でたくさんの子供たちと仲良くなり、たくさんの猫と知り合った。
私が猫の世話をするようになったのは城下町を訪れてからだった。
小さな子供たちが猫を保護していて、でもエサが用意できなくて困っていた。
猫のエサにできそうなものを渡すと、とても喜んでもらえて私も嬉しかった。
でも、子供たちが喜んだのは最初だけで、明日からのことを心配していた。それに、猫のうち一匹は子猫たちの世話をしているからもっとエサが必要らしいのを見ただけで理解できた。夢特有の便利なあれだった。
そこで私は旅をやめて、その町で働いて猫のエサを買い、子供たちにも、親御さんの許可があればおやつを買い与える暮らしをするようになった。
猫たちは大喜びで、すぐ懐いてくれたし、私が親猫に子猫のご飯をリュックかなにか、小さい運搬用のものにいれてもたせると、理解しているといわんばかりに子猫のもとへと運んでいった。夢特有のなぜかわかるやつだった。
子供たちと猫たちの両方と仲良くなり、旅の思い出を反芻していたときだ。
寝泊まりしている山への帰り道、旅路で見かけた組織の人間二人、男と女のペアが私と手合わせをしに来たか、捕獲しに来たかなにかで待ち伏せしていた。
猫のことはわかっても人間のことがわからなかったのは、私が夢の中で待ち伏せていた二人の話をひとつも聞かなかったし、相手にしなかったからだった。
相手は酷く怒り、町中で能力や魔法を使ってはならないという世界規模の規則を破って私に突っかかってきた。
女は血を飛ばして家の壁や電柱に文字を刻んで結界を作り、男は持っている武器、槍と同じ長さだけど、槍よりも柄が太くて初めて見るごついやつを振り回しながら襲いかかってきた。
面倒くさいなと思っていると、世界のどこかで知り合った魔法使いか何かの能力を持つ人が助けてくれたのがわかった。
目を閉じるとたくさんの星が瞬く夜空が頭に浮かびそのうちのひとつが強く輝いた。
私は結界の外に移動していて、相手は結界の中で二人きりになっていた。
結界を解くには血を消すか、魔力切れを起こさないといけないらしく、追いかけるのが無理だと諦めて二人でデートをし始めていた。
私は目を閉じて、輝いた星の人へ感謝のメッセージを飛ばしていた。
ありがとう、助かった。
すると、輝いた星は点滅してモールス信号で返事をくれた。
「グッドラック」
そういえば、モールス信号は世界で共通の言葉なのだろうか?
そんな疑問を頭に浮かべながら山へと帰ったけれど、どんな生活をしていたのかはひとつも見れず、気づけば次の日になって働いていた。
たくさんの冒険の思い出を子供たちに聞かせているのを夢越しに聞いていると、夢の中の私ではなく、見ている私の頭にも様子が浮かんできて不思議だった。
親猫は子猫にご飯を持っていけて食べさせることもできたようだったけれど、怪我をしてしまい、私が子猫を探し出して直接世話をする日が来た。
見つけられなかったらどうしよう?
そんな不安を胸に、猫のエサを手にしながら、子供たちに聞き込みをし、職場で仲良くなれた人に猫のエサのアドバイスをもらって猫を探していると目が覚めた。
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