2024/7/31 リッチ討伐の夢

 覚えているのは、エイリアンの巣のように薄暗く、黒くて不気味でところどころ光る場所にいたところから。


 リッチを討伐しにきたこと以外何もわからず、ひたすら探索していると、同じくリッチを討伐しにきた人たちと合流した。


 一緒に倒そうと呼び掛けてもらってついていくと、リッチのところまでたどり着くことができた。


 一人じゃ見つけられなかっただろうな。


 リッチを倒すと、自動的にどこかの集会所へと飛ばされた。


 ここからリッチの要塞へ飛んでいたらしい。


 夢を見ている私には何もわからないことばかりだったけれど、夢の中で視界を共有している誰かはとてもこの世界のことをよく知っているようだった。


 集会所の所長と呼ばれている人は、現実世界のある国の代表のような、格好良い女性だった。


 サングラスをかけていてさばさばしていて、少し過激な人。


 迷子にさえならなければ、リッチ討伐ではトップなのに。


 夢の中の視界を共有している誰かは、そんなことを言われてとてもへこんでいた。


 どうやら何度も迷子になってしまっているから一人前として認めてもらえてないようだ。


 夢の中のその子は悔しそうにしながら、家に帰って配信を始めていた。


 この世界でも配信があるのか。


 感心しながら様子を見ていると、ゲームの配信中に配信仲間から飯を食いに行こうと誘われて出掛ける準備をしていた。


 向かったのは焼き肉屋で、配信仲間の顔は映らないようスマホで配信を始めていたけれど、配信仲間も視界を共有しているその人も、お互いの名前をばんばんだしているし、グラスで屈折した顔が普通に映りこんでいて適当な上にぐだぐだなんてもんじゃないくらいだった。


 一周回って面白い滅茶苦茶具合だな。


 クスクス笑いそうになりながら見守っていると、仲間がワイワイ話している一方で、リッチを倒すことを考えていることに気がついた。


 どうやったら迷子にならず自力でリッチを見つけ出せるのか。


 私はそっと、こちら側の知識を頭に浮かべてみた。


 迷路に入ったら壁に手を添えて歩き続けると迷子にならないという知識だ。


 伝わるか、伝わったかわからなかったけれど、仲間と早めに食事を終えてリッチの要塞へ飛べる集会所へ向かっていた。




 例の、エイリアンの巣みたいなリッチの砦にそっくりな床が集会所にあった。


 視界を共有している人が床に触れると、ひし形に黒かった部分が青白く光り始めた。


 ここから飛ぶのか。


 様子を見守りながら観察していると、夢の始まりでみた要塞へと瞬間移動した。


 やっぱり、あそこから飛べるようになってたんだな。


 感心しながらみていると、視界を共有している人は壁に武器を打ち付けて激しく振動させていた。


 壁ぶち抜いていくのかな?


 予想とは裏腹に、壁の振動をソナー代わりにしてリッチの居場所を割り出していて顎が外れそうになった。


 予想外すぎる!


 予想外で面白いだけでなく、様子を見ているとすごくワクワクしてきて楽しかった。


 見つけられるといいね。


 心からそう思っていると、見事にリッチを見つけ出して討伐していた。


 リッチ戦自体は難なくこなしていたから、あとは本当に迷子になったりせず、リッチを見つけ出すだけだったもんね。


 心が温かくなりながら見守っていると、集会所へと戻って嬉しそうに所長に報告を入れていた。


 所長は大笑いしながらリッチを見つけた方法を聞いていた。


 私も一緒に大笑いしながら、おめでとうと心から言いたい気持ちを抱えながら様子を見聞きしていると、所長から一人前の証をもらえていた。


 おめでとう、本当におめでとう。


 視界を共有している人もとても嬉しそうにしていた。


 すると、所長はリッチについて新しい情報を教えてくれていた。


 リッチには4種類くらいいて、具体的な名前はまだついていないからリッチA、リッチB、リッチC、リッチDがいるそうだ。


 それぞれ強さの違いもあるから、次からは最弱なリッチAではなく、リッチBに挑んでもらうという話だった。


 視界を共有している人は、リッチに区別がつかないらしく、どうやって見分けるんだと悲鳴をあげながら頭の中をごちゃごちゃにしてしまっていて笑わされた。


 私もきっと見分けも区別もつかないよ。


 なんだか親近感がわく人だなと思っていると、配信仲間とバドミントンをして遊び始めていて、親近感がもっと強まるのを感じていたら目が覚めた。

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