ようこそ、銀河おとぎ海賊団へ
SKY
第1話 魅惑のグリーンアイランド ①
そこは、無限に続く真空の闇の世界ー。
白、赤、黄、青と光を放つ星々の間を、二つの戦闘機が、超高速で宇宙空間を爆走していた。
「よし、ここからが本領発揮と行こうか!」
絢斗は、声を張り上げエンジンを急上昇させた。もう、ここはやるしかないのだ。と、絢斗は身構えた。
ーと、激しく車体が揺れた。遥か後方に、集団が現れた。
絢斗は舌打ちするとギアを全力で上げ、それに付随しているボタンを連射した。光は彗星の如く次々と眩い光を放出し、敵方面に向かい打ち放たれた。
船体の前方からロケット花火が出現した。
すると、前方は眩い乳白色の閃光に包まれた。
ーと、激しい攻撃にあった。
奴等は特殊能力犯罪組織、『イグノア』の集団でだ。彼等は、スパイとして有名だ。
「チッ…困ったな…」
絢斗は軽く舌打ちすると、顔を濁らせた。
イグノアはダークネスという名の最凶の帝国軍と繋がりがあり、銀河系の一部を支配し殺戮しようと目論んでいる。
すると、イグノアは、突然、バリアのような赤い膜を出現させた。
「あぶな…」
絢斗は、そう言いレバー一気に全力で上昇させた。
「燃料が切れそうです!」
エンジニアのレイカは、青ざめ後部に備蓄してある燃料タンクに手を付けた。
豪勢なマシンは、花火のような乳白色の強い光線を俺達目掛けて、放出した。
マシンはゆらゆら漂うと、緑で覆われた奇妙な星に近付いた。そして、その星の重力に引きつけられ急降下していったのだ。
アンドロイドのニコルは、飄々とした表情をし淡々と状況を説明しだした。
『外気圏に突入シマシタ。温度1500度。』
マシンは、彗星の如く炎を纏い急降下し続ける。
「熱圏に入りました。温度2000度…大気圏に突入…」
ニコルは、尚も飄々とした顔つきで状況を説明した。
「分かったから、大人しくしていてくれ。新しい燃料補給してやるから。」
絢斗は、深くため息つくと各メーターを確認した。エンジンもバッテリーも急激に減り続けている。ギアは全く効かない。燃料補給したばかりなのに、何てザマだ。このままいくと衝突は免れないー。
「おい、パラシュートあったよな!?」
宮城は、倉庫に予備のパラシュートがあるのを思い出した。
ーあれで、一か八かかけるとしようかー。
「この星の座標は、おとめ座銀河団ケルベロス郡、オリオン腕…シリウス第7惑星…」
ニコルは、しばらく固まるとくるくる頭部を回転させ座標を説明した。
シャトルは、時速3000キロに到達した。そして、強烈な渦に飲み込まれくるくる回転しながら急降下していったのだった。
「いてて…」
目を覚ますと、
絢斗は、頭部を強く天井にぶつけた。
どうやら自分達は、無事らしい。エクスカリバー号は木々に引っ掛かり枝に支えられたような状態になっていた。しかし、
宇宙空間から真っ逆さまに急降下していたから、俺達は粉々になっている筈だ。誰かが、助けてくれたとしか思えないー。
「こ、ここは?息が…。」
レイカは、飛び起き慌てて鼻を塞いだ。ドアの開閉口が壊れ、全開になっていた。
「この星は、通常通りの呼吸が可能です。この辺りは、緑が豊富で…環境が地球とほぼ同じです。窒素78%、酸素21%、アルゴン1%。現時点での気温15度。平均気温が15度から20度。湿度55パーセント。重力が地球の9割程度です。」
ニコルは、体勢を変えずに頭部をくるくる回転させていた。
すると、木がのそのそと、コチラに向かって歩いてくる。
「き、木が歩いてる…?」
俺は、目を疑いゴシゴシ強く目を擦った。
頭に草木が生えた摩訶不思議な生き物達が、こちらを見つめている。
「こうして名で見ると、奇妙だよな…」
「このピクシーのような生き物は、グリム属アルファ科ミーラという名の生き物ですね。植物と動物のハイブリッド型であり、幼少期は地面に音を張りごく普通の植物として光合成をして生息します。そして、1年が経つと脚を出し、自由に動き回ります。全長が幼少期は50センチ程で、大人になると2メートル程に成長します。でー最長が3メートル程ー」
ニコルは、ペラペラと説明している。たまにコイツと話が噛み合わない事がある。いや、どうもコイツはどうでもいい事まで得意げに話したくなる性分らしいー。
彼は、レイカの父親が開発したアンドロイドだ。コイツは、例の大量虐殺事件以来、心に傷を負ったレイカを思い遣って父親が造ったマシンだ。だが、ニコルは日常会話に時折ズレが生じている。レイカの父親がズレていたのだろうか?彼は、マッド・サイエンティストと名高い科学者であり、最凶の能力犯罪者集団『レアシス』から恐れられている。
そんな人間が造ったアンドロイドだから、ニコルはおかしいのだろう。もしかしたら、ニコルに何らかの催涙ガスや爆弾のようなものが装備されているかもしれないー。ちょっとした拍子に、コイツがおかしくなり暴走しだしたら大惨事になるのではないかと、俺はいつも気が気でない。
「いや、俺が知りたいのは、コイツらが無害かどうかって事だ。」
絢斗達は、コックピットの外に出ると
「普段、毒は出さないようですね…ですが…彼らは身の危険を感知すると、微量ながら毒を放出します。要は、太陽系第三惑星の地球に生息しているスカンクのような感じと、言いましょうか…」
ニコルは、再びペラペラ話した‥
「いいや、そう言う意味の毒ではなくて…」
俺は、頭を抱えた。
「あ、や、奴らは来ていないよな…?」
俺は、恐る恐る当たりをキョロキョロ見回した。
「ええ。装置の観測の範囲では居ないようですね。」
レイカは、僅かな力を振り絞りエクスカリバー号に付随していた観測器で周波数を検索していた。
「少なくとも、半径2キロ圏内には居ないと思っていいでしょう。この辺りで、不穏な粒子の流れは出てない模様…」
「お前は、もう、黙ってろ。」
俺は、ニコルの声を遮った。
そうこうしている内に、ミラー達はゆらゆらコチラに近づいて来る。
俺達は、酷く脳震盪を起こしたせいで身体が痺れ思うようには動かせなかった。
「…」
カナト達の意識は、朦朧としてきた。
ーまずい…このままでは、殺される…!
そして、奴らは絢斗達に覆い被さってきた。
「わ…!?」
絢斗達の意識は、そこで途絶えた。
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