第50話 帰ってきてからのリザルト


9/03 『踏み均す者』の売却値段が安すぎたため修正しました。


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50.帰ってきてからのリザルト








〝龍殺しの一撃〟 攻撃力:測定不能  耐久値:∞

ネームド『踏み均す者』の討伐報酬。

この銃から放たれる一撃は全てを等しく均していき、後には何も残らないだろう。

攻撃力は扱う者のDEX値により上下する。弾数は銃の側面に刻まれている花弁により管理出来るようになっている、弾はチャージ式で1発たまるまで24時間必要になる。




Bランク試験が終わり家に帰ってきてからゆっくりと今回の色々を見直していて今は〝龍殺しの一撃〟の説明文を眺めていた。

今回手に入れたこの銃だが、やはり特殊な物なのか攻撃力も耐久も変わった形になっていた。


「ここにきて無駄に高かったDEX値が輝いてくるとは思っていなかったなぁ」


今では600を超えた数値になってしまったDEX値、最近ではむしろどれだけ上がっていくのか楽しみになってきている。


「後は外装か」


【GunSHOP】スキルがレベル6になり今まであまり使っていなかった外装の項目が一気に増えたので今回ちゃんと見てみようと思いなおした。

思いなおして見ているんだけど数が物凄い多い。


銃のパーツがこんなにいっぱいあるとは知らなかった、同じ部品でもちょっと形が違っていたり素材がーとか多種多様にある。


いっぱいある中でも気になる物をいくつか買ってみた。


まずは〝ウェポンライト〟だ、銃に取り付けるライトで暗い所を照らすだけでなく、相手に強い光を当てて目くらましみたいにして使う事もできるみたいだ。

果たして魔物相手に効くかどうかしらないが面白そうなので買ってみた、これはアサルトライフルとハンドガンに取り付けたいと思う。


次に〝グレネードランチャー〟が気になった、これは所謂アサルトライフルの銃身部分の下に付くような形のやつでゲームなどでもよくみるやつだ。

これも面白そうなので買ってみた弾となるグレネードも10個ほど試しで買った。


最後に今回のレベルアップで一番の目玉かもしれない〝拡張マガジン〟を見ていく、普通の現実的なちょっと長い形になったマガジンもあるのだが今回新しく増えた〝空間拡張型マガジン〟を調べる。



〝空間拡張型マガジン〟

空間属性の魔石を使う事により容量を劇的に引き上げる事に成功したマガジン。



マガジンの容量は100、200、300と種類があるがそれぞれ10万20万30万GPと高くなっている。

いずれは買いたいがこれを買ってしまうとアーツスキルである【リロード】とかの出番が減るなぁ。


空間属性の魔石と書いてある通り、ダンジョンからは空間属性の魔石が採れる。

その需要は計り知れず様々な事に使われている、探索者として一番お世話になるのは収納袋じゃないだろうか。

他にもトラックなどの荷物を入れる部分に空間拡張を施し1台で沢山運んだり。


最近では家にまで空間拡張を使用する事があるらしいが怖くないのだろうか?いつ壊れるかもしれない空間内で過ごすなんて………って【野営地】スキルでのんびりしている俺がいえたことじゃないか。


まぁ〝空間拡張型マガジン〟はいつか買うとして、後は銃を一通り更新して〝Foxtrot〟シリーズにした。

〝ハンドガン〟と〝アサルトライフル〟と〝ショットガン〟を更新して見た目も変えようかなと思ったけれど扱いやすさを考えると下手に変えたくない。

けどそろそろ変化が欲しいなっておもって色々探していると面白い物を見つけた、フルオート射撃のショットガンだ。

AA-12と呼ばれる物らしく32連のドラムマガジンを使う。


まだ使っていないので実際のところがどうなのかわからないが動画サイトで見た限りえげつない感じだった、使う時が楽しみだ。

色々と問題点もあるらしい、重いだとかフルオートで撃つ必要が無いだとか。

重いのはレベルが上がった今ならステータスでごり押しできると思う、フルオートで撃つ必要が無いって言うのはその通りだと思うけど使い切れば【空間庫】へ入れればいいしそもそも普段はアサルトライフル使うしで活躍する場面も少ないだろう。

なので多少ロマンを求めてもいいんじゃないかと思ったり。



さて最後に、Bランク試験中に持ち帰ったあれこれの戦利品の確認だ。

実は既に試験が終わってから数日が経っている、学校も夏休みに入ったってのをもあるしゆっくりと色々調べたりゲームしたりしていた。


そんな中、ダンジョン協会へと確認に出していた物の返事が返ってきていた。


1つめが遺跡で見つけた魔布と投げナイフだ、魔布はそのまま買取にだして2万円ほどで買い取って貰えた。需要の無くならない素材だけれどもちろんその分供給もあるのでそこまで高くはない。

次に投げナイフ、鑑定結果は〝リターンナイフ〟と呼ばれる物で投げても数秒後に鞘へと戻ってくる魔法のナイフだ。


面白い効果の投げナイフだが俺の戦闘スタイル的に使わないのでそのまま売りに出した、買取価格は12万円。

効果の割には安いと思うがこれは仕方ない、効果としては戻ってくるだけで他に強みの無いただの投げナイフだからだ。

刺さったら爆発するとか、毒になるとか。そういった特殊な効果がないので安くなっているらしい。


投げたやつが戻ってくるだけで十分凄そうな物なんだけどなぁって思うけど世の中そう単純ではないみたいだ。



次にネームドである『踏み均す者』の買取についてだ。

これは現地で目録を貰っていたがそこからさらに詳細な目録を後からもらった。

そこには血やら頭に牙に角に翼に前足に爪に背中の皮や腹の皮、尻尾や肉に骨と細かく部位によって項目がわけられていた。


分けられていたと言っても実際に分割しているのではなくてそういう部位があってこれは何々に使える、これは使えないなど買取の場合の値段とかが書いてある。

それによると『踏み均す者』の素材を全て売る場合、2700万ほどになると書いてあった、中々に高い………主に角や牙に爪などの武器にできる物が高くなるみたいだ。

以前倒した【ダンジョンウォーカー】のトロールで420万だったので今回のがいかに高く売れるのかがわかる。


そしてもし『踏み均す者』の素材を使って何か装備を作りたい場合はこちらで紹介状を書くとも書いてある。どうやら自分達の持っている製作所を紹介したいみたいだ。


倒した相手の素材を作って装備を作るとかゲームみたいでちょっとやってみたい気持ちもあるが今回は見送る事にして全部売却とする。

なぜ全部売却にするのか、理由としては防具に関しては正直『踏み均す者』から作られる物が想像できないし、無理やり想像したとしても今の自分に合う装備にはなりそうにもないなという考えがひとつ。武器に関しては作れたとしても物理系の片手剣とかそういった物だろうしね。

それと防具に関しては【GunSHOP】スキルで買えるからそれでいいかなって思っている。


そう、防具。実は【GunSHOP】スキルのレベルが上がる度に新しい防具も出ていたのだが今のところあっても一緒かな~で流していたのだが今回の事でちょっと怖くなって防具を更新しようと改めて見てみた。


防具は銃と同じシリーズ名で今まで装備していたのが〝プロテクターCharlie(全身)〟だったが今回で増えたFoxtrotシリーズに買い替えた。

お値段3万5千GP。


見た目も変えてみた、前のはごついくて太い感じだったが今回選んだのはシュッとしたやつ。

細くてゲームや映画などでたまに見るちょっと未来っぽい感じのやつだ。

デバイスは前回と同じネックレス型にしておいた。


と、まぁ話は逸れたがそんな感じで『踏み均す者』の素材は使わないので売却だ。

一瞬神宮寺さんの【魔鍛冶師】スキルがあれば皮とかも使えるのかな?って思ったが彼女は鉱石以外も扱えるんだろうか?確かめておくべきだったか?もしかしたら牙とか角や爪なら扱えたかも?


まぁ既に決定した事を悔やんでも仕方ないか、それに神宮寺さんには別のお土産があるしな。


『踏み均す者』を倒すと決めたときにあの体をどうやって維持しているんだろう?魔力的な物かな?って考えていたがそれはあながち間違いでもなかったみたいだがちゃんと生物も食べるらしい。

そしてその食事方法はあの巨体からして想像がつくがかなり雑だったみたいで獲物のいる地面ごとえぐり取って食べるらしい。


そのため『踏み均す者』の体の中には様々な物が取り込まれる、石や土、木や鉱石などその辺にある物はなんでもだ。

そんな何でもが体の中で圧縮され出来上がる鉱物がある。それがそのまま〝龍鉱石〟と呼ばれる物だ。


龍の中でも悪食で何でもかんでも食べてしまう種類の中にしかできない珍しい物らしくそこそこ貴重っぽい。

ファンタジーで有名なミスリル、オリハルコン、アダマンタス、ヒヒイロカネ。そこに〝龍鉱石〟が混じる事になる。

鉱物としての価値的にはオリハルコン未満、ミスリル以上、アダマンタスぐらいって感じで結構上位に食い込む。


この〝龍鉱石〟を折角ならと神宮寺さんのお土産にしようかなって思ってドローン郵送を頼んでおいた。

ちなみに〝龍鉱石〟の量は470キロほどらしい。ここからインゴットがいくつ出来上がるか知らないけれどお土産にはなるだろう。


そんなこともあって『踏み均す者』自体の素材はいらないかなって思って売却を選んだってのもある。


そして最後にネームドで【ダンジョンウォーカー】と言えば。そう、スキルオーブだ。

今回も例にもれずスキルオーブがあったみたいで目録の一覧に載ってあった。


もちろん、これも輸送を頼んだんだが何故か知らないがこれだけすぐに届いて今手元にあるんだよね、運びやすいからかな?



「というわけで俺は今ここでスキルオーブを使うぞぉぉぉぉ!」


寝転がっていたソファから立ち上がりスキルオーブを天高く掲げる、家に一人だからできるテンションだ。


「もったいつけずに使用!」


『スキルを獲得しました』





名前:神薙 響   年齢:15


レベル:62


STR:98

VIT:56

AGI:97

DEX:662

INT:8

MND:7


≪スキル≫

<ユニーク>【GunSHOP】Lv:6

<上級>【空間庫】Lv:5

<スキルリンク>【野営地】Lv:2

<上級>【射撃】Lv:10

<中級>【銃術】Lv:4

<上級>【堅忍不抜】Lv:─

<中級>【気配感知】Lv:10

<中級>【遠目】Lv:─

<スキルリンク>【イーグルアイ】Lv:7

<ユニーク>【風読み】Lv:─

New<中級>【計算】Lv:1





「計算………?算数が得意になるのか?ハズレかー」


何か微妙なスキルが来ちゃったけど、そりゃ毎回毎回当たりのスキルがくるわけないよな。

ちょっと残念だけど仕方ない、なんの労力も無しにスキルをゲットできるんだ。貰えるだけで喜ばないとな。



「後はなにか確認する事あったかなぁ………ん、メールだ。立花さんから?」


ソファに再び寝転がって後は何かあったかなぁと考えているとちょうどメールがきた、神宮寺家のメイドである立花カレンさんからだ。


「なになに?お話したい事があるのでご都合がつく日をよければ教えてください、とな」


んー、たしか〝龍鉱石〟が届くのが2日後か。ならちょうどいいしその日にしてついでにお土産渡すか。


「2日後ならいいですよっと、よしお風呂はいろ」


特に予定はないし軽く返事をしたが、話しって何だろうな?ちょっと今更怖くなってきたかも。








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