【GunSHOP】スキルで銃無双

カロ。

第1話 世界にダンジョンがある日常

1.世界にダンジョンがある日常








『おはようございます。昨日、新たに発見されたダンジョンはSランククラン【暁の騎士】によりDランクダンジョンと判明しました。これにより───』


朝ご飯を作る間に適当につけていたテレビのチャンネルから昨日発見されてSNSで話題になっていたダンジョンのニュースが流れている。


「ふぁぁぁあーふぅ、ダンジョンかぁ楽しみだな」


ある日突然世界中に現れたダンジョン、それは世界に混乱と混沌をもたらしたが数年もするとダンジョンは攻略され、探索者という職業が新たに出来上がり今ではダンジョンは無限に資源を吐き出してくれる狩場となっていった。


ダンジョンが出来てから170年が経ち今では当然のように日常の一部になっている。

そんな日常に生きる俺も今日から高校生、ダンジョンの入場許可、ライセンスが貰える年齢だ。事前に必要な書類は用意してあるので後はこれをネットで申し込みするだけだ。


というわけで早くライセンスが欲しいので朝ご飯をパパっと食べる。


「ふぅ、ごちそうさま」


食べ終えた食器を自動で洗ってくれる機械『洗う君』にぶち込んでスタートボタンを押す、これで後は放置するだけでおっけいだ。


自室に戻りVRゴーグルを付けてベッドへ寝転ぶ、手にはVR空間で動くための操作用の手袋を付ける。


「この手袋も古くなってきたし買いなおさないとな」


そんな事を思いつつゴーグルの電源を入れてVR空間へと入る、視界がひらけるとそこは地面に青い線が走った薄暗い空間だった。

目の前に浮かぶ画面にはゲームや計算アプリなどの色々なアプリが並んでいるがその中から『私立笹月高校』を選択すると短いローディング画面を挟みクラス選択の画面が出たので1-Bを選択する。


再び短いローディング画面を挟むと景色が切り替わり、視界に映るのは今日から俺が通う教室だ。既に何人か生徒が来ているのか簡略化された人型のアバターがいる。

学校ではアバター差を無くすために全生徒が一律で同じアバターを使う事が義務付けられている。過去には課金アバターや自分で作ったオリジナルのアバターなど自由だったそうだがそれが原因で問題が色々起きるので今では学校側が用意したアバターを使う事になっている。


昔は学校までわざわざ登校していたんだよなぁ、技術が進歩して楽になったのはありがたい。


画面に自分の席までの誘導がポップしたのでそれに従って自分の席に座る、後は先生が来るまで待つだけだがその間は暇なので今のうちにダンジョンの入場許可の申請をしておこう。


メニューを呼び出し検索窓を出す、そこへ『日本ダンジョン協会』と入力して出てきたサイトを指で押してページを開く。そのままページ内にある『ダンジョンの入場許可申請はこちら』のポップに従って必要な項目を入力して書類を電子送信する。


これで後は待つだけか、早く授業終わらないかなぁ。


自分の席に座ってボーっとしていると教壇にポンっと音を立てて先生が現れた。


「おう、揃ってるか?えーっと…うんうん、いるな。よし、初めまして今日からこのクラスの担任になった赤霧刹那だよろしく頼む今日はこれから──」


先生は生徒とは違うアバターなのか?綺麗な女性だな、生身をスキャンしたリアルアバターなんだろうか?


先生の話す言葉を聞き流しながら考える。どうやらこの後自己紹介を一人づつしていくらしい。


自己紹介とか前時代的だな、恥ずかしい……早く終わってくれー





◇  ◇  ◇  ◇





「それじゃぁ今日はここまで、また明日」


先生のその一言でみんなが一斉にログアウトしていく。俺も例にもれずメニューを呼び出してログアウトする。


「あ~やっと終わった半日とはいえめんどくさい、義務教育データ読み込みたいけどあれ高いんだよなぁ」


学校に通うのがめんどくさいお金持ちは義務教育課程の知識をデータとして買い取って脳みそに直接読み込むらしい。そうすると学校に行かなくて必要な知識が身に付く割と最近できた物でまだやったことあるのは一部のお金持ちだけらしいが安全性は確保されてるって聞くし学校に通う必要がなくなるならそれもありなんだよなぁ。


ただまぁ数千万するんだけどね、そんなお金持って無い。


自室からでてリビングに行くとドローン配達の通知が来ているので庭へと出る。外には畑と自然が広がっておりどこからどう見ても田舎だ。技術の進歩によってこんな田舎でも都会と変わらない物資を受けれるのはひとえに先人たちのおかげだ、その努力には感謝しかない。


ただまぁ都会と一緒なのは物資だけで、施設などは比べ物にならないから相変わらず都会は人気がある。コンビニとかなんてここから歩いて2~3時間はかかる距離にある。そういえば田舎がいかに不便かがわかるだろう。

俺の場合は両親が元々ここの出身でここに家を建てたのでそのまま暮らしているだけだ。ちなみに両親はもうすでにいない、小学生の頃に交通事故で亡くなっている。なのでこの家には現在一人で住んでいる。


技術がどれだけ進歩しようと交通事故は無くらないし、治せない怪我も病気もある。悲しいがこれが現実だ。

一応近くに母方の両親、俺からすればおじいちゃんとおばあちゃんが住んでいるので最近まではよく家に来てくれていた。もう高校生になるのでこれ以上は過保護だろうと来る頻度を減らすらしい。


ドローンが配達してくれた荷物を家へと運ぶ、これは食料、頼んでた炭酸ジュースに買い足した下着類、おっもう届いたのかダンジョンの入場許可書。


『日本ダンジョン協会』と印字された封筒の中身を取り出すと免許証サイズのカードと指輪が出てきた。カードには自分の名前と生年月日、冒険者としてのランクなどの情報、登録時のナンバーが書いており重要な書類となっている。


指輪の方にはカードに書いてある情報が書き込んであり基本的に使うのは指輪の方でカードの方は予備だ、だいたいみんな家の大事な物をしまうとこに入れておくらしい。

早速指輪を右手の人差し指に入れる。サイズ自動調節機能がついているのでどの指に入れても大丈夫なようになっている。


人差し指に指輪が入るとシュッとサイズが縮んでちょうどいい大きさになる。


ぴぴっ『本人による装着を確認しました、ステータスをご覧になりますか?』


指輪から声がしてVR空間のように目の前に画面が出てくる。よくわからない謎技術の飛び出す画面だ。何がどうなって見えているのかとか何でステータスが測れるんだとか色々疑問はあるが詳しく説明されても理解できないのでそういう仕様だとして納得している。


ステータスか、一応確認しておこう。


ポップ表示された画面のステータスをご覧になりますか?の下に表示されている『はい』『いいえ』のはい、の方を押す。すると画面が切り替わり自分のステータスが現れる。




名前:神薙 響   年齢:15


レベル:0


STR:8

VIT:5

AGI:6

DEX:10

INT:6

MND:5


≪スキル≫





おぉっ!やっぱ自分のステータス見るとテンションがあがるな。数値はう~ん?どうなんだろう?たしか高校生の平均はレベル0だと一律5ぐらいが平均なんだっけ?そう考えるとそこそこいいのかな?何故かDEX、器用値がやたらと高いけど。



これで後はダンジョンいってスキルゲットするだけだな。


スキル、それはダンジョンが出来てから人々に現れるようになった不思議な力。スキルの内容は様々だが有名なのは【剣術】とか魔法が使えるようになる【火魔法】

など、どうして使えるのかとか未だにわかっていない謎だ。【剣術】などは剣の扱いがうまくなり剣で繰り出す技を覚えるが、圧倒的に人気なのは魔法だ。魔法なんてまさに物語にでてくる不思議な力なのでみんな憧れている。


俺はどんなスキルを手に入れるんだろう。


スキルは鍛錬やスキルオーブというダンジョンから出るアイテムを使う事で覚える事が出来るが。最初の一つだけ確実にスキルを手に入れる方法がある。それがGランクダンジョンの最奥のボスをソロ討伐する事だ。


Gランクダンジョンとは世界中にあるダンジョンの中でも最も難易度が低いダンジョンで、踏破しようと思えば小学生でもクリアできるほどの難易度のダンジョンだ。

なんでそんな低レベルのダンジョンがあるかと言うとスキルを持っていない者がソロでGランクダンジョンを踏破するとスキルが手に入るからだ。

これはダンジョンを作り出した者による慈悲なのか罠なのか。詳しい事はわからないが何かそういう仕様なのでみんな活用しているってわけだ。


今から準備していこうかな?Gランクダンジョンなら数時間もあればクリアできるだろう。


今は昼の1時、今から準備してダンジョンへいっても夜までには帰ってこれるかな?まぁ遅くなっても俺の事を注意する存在がいないから自由ではある。


そうと決まれば早速準備しよう。まずは事前に買っておいたダンジョン行く時用のプロテクターを付けていく。両手に胴に両足に腰回りも。プラスチックみたいに軽くて薄いが強度は車が突っ込んできても平気なほどある。これはダンジョンで取れる素材から作られている。どうやって加工しているのかは知らない、これもまた謎技術だ。

ただこんなに技術が進歩して壊れにくい防具が出来上がっても、これを紙の様に壊してくるのが魔物なので恐ろしい。


プロテクターを付け終わると水分補給の水筒をカバンに、カロリー摂取するためのバーを数本ポケットに突っ込む。そのまま玄関でタブレットを壁からはがし外へでる。

でかける前に畑の世話をしておこうと思ったのだ。


昔は自分達の手で世話をしていた畑も技術の進歩で人の手が入る必要はなく全部ドローンなどの機械がしてくれる。人間がする事なんてタブレットで命令を出す事ぐらいだ。

機械が全部やってくれるので高校生になり立ての俺でも畑の世話ができる。今まではおじいちゃん監視の元操作していたが流石に何年もしていれば慣れる。今は一人で大丈夫になった。


この畑が俺の現在の収入源だ、毎月の生活費ぐらいは稼げているので惰性で何となく畑を続けている。金銭的には両親が亡くなった際に保険金ががっつり入っているので死ぬまでかかるお金は既に持っているが何もしないのもあれなので続けている形だ。


ドローンに畑の水やりの指示を出して玄関にタブレットを戻す。


よし、後は大丈夫かな?


他にやるべき用事は思い付かないので玄関の鍵を閉める。


「いくかぁ!」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る