作文編
春日ゆりあ
小学4年生の春日ゆりあは、重政冬子と石塚真理子、脇田明、工藤隆之介から執拗に虐めを受けていた。
あまりにも虐めに耐えられなくなったゆりあは、担任の女性教師布川未来に虐められている事を話し、未来は翌日、冬子達を呼び出し注意をした。だが、これがエスカレートする原因になってしまい、冬子達はゆりあを以前より酷く第三者から見てもやり過ぎると思ってしまうぐらい虐めていた。
ゆりあは両親に心配かけまいと両親にも言えずまたもっと虐められるのではないかと未来にも話せず、鬱々していたある日、ネットで何でも屋の存在を知った。
藁にもすがる思いで、ゆりあは自分の部屋に行き何でも屋に電話した。
「はい。何でも屋です」
出たのは男性だった。
「何でも屋さん、明日、行っても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ!お待ちしております」
鬼塚は依頼人の春日ゆりあに
「では、ゆりあさん、今回の依頼は?」
ゆりあは勇気を出して
「私、学校で虐められてて。先生に話たんですが、何も解決できないし、親にも話せない状態で…。けど、このままだったら何も変わらないと思ってどうか私の虐めを大人達に理解して欲しくて…」
途中ゆりあは泣き出してしまい、伊万里が慰めていた。
「大人達に理解…。あ!そうだ。なんか虐められたって証拠になる物ある?」
鬼塚は尋ねた。
「鬼塚さん、小学生がそんな」
伊万里が止めたが、ゆりあはランドセルから1冊の自由帳を出し、鬼塚に渡した。
自由帳には、日付とゆりあが虐められた時の状況が書いてあった。
ゆりあは、冬子達からの虐めがエスカレートしてから自由帳に虐められた時の状況を書くようにしていた。
鬼塚は1ページ1ページ丁寧に黙読した。
10分後、鬼塚は自由帳を閉じ、
「内容が酷い。しかも悪質。辛かったね。何か方法はないかなー」
と考え始めた。
ふと、ゆりあはある事を思い出した。
「そういえば、再来週授業参観があるんです」
「それだ!」
鬼塚は急に立ち上がった。
「え?」
伊万里は戸惑った。
「鬼塚さん、また何か思いついたんですか?」
本郷が尋ねた。
「そう!思いついたの〜」
鬼塚はニヤリと笑った。
「まさか!授業参観で話すとか?なんだか危険な感じが」
一華は不安そうにした。
「その授業参観って皆の前で作文を読むパターン?」
鬼塚がゆりあに聞くと
「はい…。テーマが『私の友達』です」
「はい!出ました!タイムリーなテーマ!」
鬼塚は手を叩いた。
「ねぇ、その作文、僕手伝っちゃダメ?」
鬼塚はニコニコして聞くと
「お願いします!」
ゆりあは、深々と頭を下げた。
「おーにーづーかーさーん!!!」
伊万里は嘆いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます