シナモンロールの種
坂本 有羽庵
パラパラ炒飯
友人が「うまい
店内は広く、混んでいた。
客席の真ん中にはガラスで仕切られた舞台があり、なぜかその上部にだけポッカリと屋根がなく、太陽の光が
注文が入ると、大皿を手にした店長が舞台に立ち、皿を持っていない方の手を空に向け、「はっ!」と腹の底から声を出した。すると、具材と米が適度に混ざった炒飯がパラパラと空から降ってきた。
店長はそれを太極拳のような華麗なステップで、一粒も残さず皿に受け止めていく。大皿の上にこんもりと盛られた炒飯は、油のコーティングで
雨の日は休業するらしいよ、と友人は言った。
「せっかくのパラパラ炒飯が台無しになるからね」
テーブルに運ばれてきた炒飯を食べると、口の中でパラパラと軽やかに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます