第8話 山に行くのだって簡単じゃない

「いやぁ〜、楽だったね! 君の召喚魔獣は凄すぎるよ! 結構な悪路だったのにスイスイとグズマルド鉱山まで来れちゃうんだもの! 普通、歩きだったら半日はかかるのに召喚魔獣に乗ってくるとまだ少ししか立ってないんだよ!」

 そういって彼女は嬉しそうに助手席に座りながら足をバタつかせている。

「いや、魔獣じゃないですよ。これは馬車の強化版? みたいな物だよ」

 そういって俺はハンドルを握り、サイドミラーを確認すると後ろから猪のような蛇のような、よく分からない生物が追ってきている。

「つかぬことをお伺いしますがミィルさんや後ろの生物は何なのだろう?」

 助手席に座るミィルに声をかけるとミィルはニヤッと笑って

「アレはボアサーペントだよ」

 といって彼女は弓矢を構えた。

 どうやら逃げ切るという選択肢は無いらしい……。

「山に行くだけなのに簡単にはいかないのね……」

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