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「スマホで方位が分かるので大丈夫です。それでは行ってきます」


私は店員さんに別れを告げて森に入った。

森の中の道は観光用に整備されており歩きやすかった。

トレッキング用の装備を用意しなくても楽しめるのは有り難い。

空気は澄んでおり、都会に近い地元の山林とは違った独特の空気感が楽しめた。

楽しく散策をしていたら、あっと言う間に1時間半経った。

今から戻れば店員さんが言っていた3時間後に直売所に戻れるだろう。


『本当に良い処を紹介してくれた。アレ、帰りはどっちだったか?』


景色が綺麗で散策に夢中になっていたので、帰り道が分からなくなっていた。

この先は右だったか……左だったか……そうだ!

西に向かえば良いのだ。

方角を確かめる為、慌ててスマホを取り出したが、手から滑り落ちて画面が割れてしまった。

画面に何が表示されているか分からない。


『しまった! 太陽は何処だ!』


太陽の方向を見れば方角が分かると思ったが、木々が生い茂り見えずらい。

仮に太陽の位置が分かっても、スマホが壊れており現在時刻が分からないので意味が無い。

右、左、左……何度も同じ道を歩いている様に見える……

私は力尽きるまで森を彷徨ったが、森の出口は見つからなかったーー

私の戻りが遅い事を心配した店員さんによって救助されたが、キャッサバどころではなくなってしまった。


BAD END 6:遭難


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