大切なものはすぐ傍に

「ただいま」

 家に帰ってくると、猫が玄関で出迎えて来る。同棲中の恋人がいなくなって、代わりにコイツがいた。電話やメールにも出ず、猫飼う計画一緒に立てたのに勝手に……。今日も、見つけられなかった。

「お前は何処にいるか分かる? なんてな」

 

 恋人の瞳と似ている猫をそっと撫でた。

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