最後の連鎖

野利坂乱

1話目

仕事から開放された私は、家へ向かっている。神社を通りかかっていた時、黒ずくめの女性が何やら険しい表情で白い物体を捨てていくのが見えた。彼女が離れていくのを見送った後、白い物体に近づいてみた。パソコンなようだ。機種は7年弱くらい前って感じがする。他人が捨てたものに特に抵抗を感じなかったため私はそれを持ち帰ってみることにした。最近会社の中でウェブ小説投稿サイトが話題になっている。社員との話を合わせるためウェブ小説投稿サイトに投稿したいと考えていた。執筆の時間を重ねるうちに、いつしか社員との話を合わせるために始めたウェブ小説投稿の存在は私にとって仕事で疲れた心身を癒やしてくれる存在になっていた。朝の7時から電車で通勤して夜の9時に家に帰ってきた後の1時間は執筆の時間と決まったルーティンになっていた。自分が時間をかけて投稿した小説を色々な人に読んでもらえるということがとても嬉しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る