第2話 この世界-その2

 そんな街『ルカンド』の冒険者ギルドの近くに、私の両親が経営している薬局があります。

 街の外の森の中で自生している薬草を取ってきてもらい、それを加工して『魔法薬ポーション』の原料にしたり、傷口につける軟膏を作ったりして、生計を立てています。


 そんな商売が順調に行っているはずでした。が、ある時、お父さんが難しい顔をして、帳簿とにらめっこをしているシーンに出会ってしまったのです。

「お父さん、どうしたの?」

「ああ、マリーか。実はな、ポーションの原料の納品量が、ここ最近になって少なくなってきててな」

「売上が少なくなってるの?」

「すぐに破産する、って訳じゃないけど、ちょっとこの売上の減り具合は痛いな」

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