第207話 100万人突破記念配信 お昼ごはん料理配信&実食配信編
ハンバーグ!
大好物!
そこそこ難易度の高いやつ来た!
ハンバーグと聞くとお腹空いてきたぁ
『まず、僕の家のハンバーグに必要な材料を紹介していきます』
カメラの枠外に前もっておいていた材料を、1つずつカメラの前に持ってきて紹介する。
少し多めに作る予定のため、今回の材料はかなり多い。
ハンバーグの材料を紹介した後はソース制作に必要な材料の紹介をして、早速調理を開始する。
『まずは玉ねぎをみじん切りにします。まずは皮をむいて、玉ねぎを適当に切ります。切り終えた後に活躍するのはこちらの調理器具!』
カメラに移っていたまな板を横に映し、一つの調理器具を見せる。
なんだこの調理器具?
外は透明で中には……刃?
ミキサーか何かか?
ミキサーにしては小さいな……
調理器具を見てもらっている間に、フライパンにサラダ油を入れて、熱火を入れる。
30分という時間しかないので、時間をどのように節約するかが大事になる。
『こちらの調理器具に適当に切った玉ねぎを入れます。すべて入れたら蓋をしっかり閉めて、蓋のてっぺんについている紐を引きます!』
説明しながらカメラの前で、紐を勢い良く引く。
引いては緩めてをしばらく繰り返した後、蓋を開けると、適当に切られていた玉ねぎはみじん切りされた状態で出てきた。
めっちゃ細かい!
綺麗にみじん切りされてる。
これ絶対に楽しいやつ!
これなら子供にも手伝ってもらえそう!
『みじん切りされているのを確認したら、前もってサラダ油を熱していたフライパンの方に投入し、じっくりと炒めます』
『玉ねぎを炒めながら、ボウルにひき肉、小さい皿などにハンバーグに混ぜる調味料を準備しておくと、時間の短縮になります』
そこから数分ほど玉ねぎを炒めていると、白かった玉ねぎはきつね色へと変色していったので火を止める。
『この色になったら、ひき肉の入ったボウルに投入。そのあとに牛乳やパン粉、塩といった調味料を全部入れて、手でモミモミします。この時に隠し味で愛情を入れるのを忘れないように!』
ヤマトの愛情が入ったハンバーグ……
じゅるり
ヤバい、腹減ってきた……
気持ちよさそう。
この時の感触は忘れられないよなぁ
『ふぅ、ふぅ、ふぅ! ……よし、タネはこのくらいで大丈夫ですね。ではさっそく、ハンバーグの形を作っていきたいと思います』
ボウルの中にあるまとまったタネを少し取り出し、手である程度形を作ったら中の空気をとるために両手で形が壊れない程度にキャッチボールをする。
小さい頃はアニメの見様見真似でよく失敗したが、この年になればカメラに映る範囲でもできる。
形ができた後は再び油を引いたフライパンの上に乗せ、2つ目、3つ目とたくさん作っていく。
コンロとフライパンを全活用して何とかすべてのハンバーグを乗せることができた。
その後はしっかり両面焼いて、「よしっ!」と思ったら長竹楊枝を中心にさして、中までしっかり焼けたか確認する。
全てしっかり焼けていたので、大皿の方にハンバーグをすべて移す。
『ハンバーグの方はこれで良し。どうですか? おいしそうでしょう』
見てるだけで腹が鳴る
良い焼き加減!
昼からハンバーグって重くない?
普通に美味しそう!
『次にタレの方を作っていきます。ハンバーグで使ったフライパンにケチャップ、ウイスターソース、醤油を入れて、しっかり混ぜていきます』
最初は液状だったものも、しっかり混ぜることでトロッとしたタレに変化した。
完成したたれをハンバーグの入った大皿にかけて完成。
最後に千切りキャベツとトマトを小さめのさらに乗せ、白米をついでお昼ごはんの準備はこれで完了した。
『皆様、こちらが神無月家の昼食、ハンバーグになります。どうですか? 見てるだけでお腹空いてきません?』
空いてくるよ!
もう腹ペコ!
さっきラーメン食ったばかりなのにもう腹減ってきた……
じゅるり……
大盛りのハンバーグ皿に手前に置いている白米と野菜たち。
撮影している僕は既にお腹ペコペコだ。
『あ、今ほんの少し恋夢が映りました。この後は早速実食して恋夢にも感想を貰いたいと思います。では、お手を合わせて、いただきます』
「いただきます」
いただきます!
いただきます!
今恋夢の声入った!
恋夢ちゃん久しぶり~!
「皆さん、お久しぶりです。いつもヤマトがお世話になっています、ヤマトの妹、神無月恋夢です。早速ヤマトの作ったハンバーグを食べていきますね!」
恋夢はハンバーグを取り、サラダ皿の方に一度運び、細かく切った後に白米の上に乗せてから口に運ぶ。
美味しいのか、美味しくないのか、この瞬間はかなりドキドキしてしまう。
「ん~~!! 美味しぃ!」
『よしっ!!』
良い声
今ヤマトの「よし」が聞こえた
ヤマトガチ喜び!?
ヤバい、腹減ってくる……
感想をいただくことができたので、僕も来夢と同じようにハンバーグを食べる。
ハンバーグを口の中に含んで分かった。
我ながらなかなか美味しいハンバーグだ。
『やっぱりハンバーグはご飯のお供になりますね。箸が進みます!』
この後も配信があるにもかかわらず、10分もしないうちに2つ目のハンバーグを完食してしまった。
『ハンバーグ2つ食べて、口の中がハンバーグ色になったところで、千切りキャベツとトマトを食べると、野菜の味が引き立つんですよね』
このタイミングで食べるキャベツは甘味が別格で、トマトは口の中をリセットしてくれる。
ただ、トマトの場合ハズレだと甘味ではなく酸味の方が引き立ってしまうの難点だ。
最終的にハンバーグを5個完食して僕のお昼は終了した。
恋夢はというと未だにハンバーグを食べ続けている。
既に10個は言っているかもしれない。
なのに、ハンバーグはまだ残っている。
『ちょっと、作りすぎたかもしれません……』
明らかに作りすぎだな。
多すぎるw
昼と夜で十分じゃんwww
どんだけ作っとんねん
『あはは、もうすぐで13時になるので、恋夢の食事配信はここまで! 次は皆さんも参加できる『Vtuber育成学園』バトルです! もうしばらくお待ちください』
***
配信を待機画面に変え、ミュート状態にする。
「来夢。僕部屋に戻るけどまだ食べてる?」
「流石にもういいかな。お腹いっぱい」
「分かった。それじゃあ今日の夜もハンバーグでいいね」
「うん」
「……やっぱり作りすぎたかな?」
「うん!」
ハンバーグをラップで包み冷蔵庫になおす。
時間がないため、食べ終えた食器は水につけるだけで、カメラとマイク、パソコンを持って部屋に戻った。
配信再開の準備が終わったころにはすでに13時を回っており、急いで配信を再開する。
***
『皆様お待たせしました。ハンバーグを冷蔵庫になおしてたら遅くなってしまいました!』
お疲れ!
待ってないよ~!
準備万端です!
オレの指速見せてやろう!
『では僕の方もアプリを起動していきますね』
【Vtuber育成学園】の起動は十数秒で完了する。
最初に映るホーム画面には自身のお気に入りにしているVtuberが映るわけだが、今回、僕は少しミスをしてしまった。
前まではヤマトをメインライバーにしていたが、現在僕のメインライバーは期間限定ライバーになっている。
そのライバーは最近出たばかりで少しきわどい格好をしたライバー。
ヤマト、マジか……
これをメインとは、流石ヤマト
俺はこのライバーをメインにする勇気はないな……
最高レアリティがこのライバーしかなかったとしてもオレは選ばんw
通常の方は普通だったのに、どうして……
皆が、嘆いている理由は明白。
そのライバーは夏ガチャ第2弾で登場した最高レアリティの骨筋ドラゴン様。
それだけなら問題ないが、恰好が上半身は当然裸で、下の方はブーメランパンツと、本当にきわどい格好だった。
この状況で僕が振り絞りながらも出した言い訳はこれだった。
『…………この体つき、普通によくないですか?』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます