成長途中

節分の日、外で豆を投げようとしたが、寒さに震えている小さな鬼が立っていた。

「一晩泊めさせろ」

 僕は迷ったけど、家に招き入れた。一晩明けたら、鬼の姿は何処にもいなかった。変わりに手紙が置いてあった。

 

『お人好し』

 ただそれだけ書いてあった。

 ……まだ鬼に成りきれてないんだね。

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