第20話ブラック企業とホルモン



フライパンにオリーブオイル適量、油慣らしする

→塩ホルモンを投入、換気扇は強にしておくか窓を開けておくヘラでキュッキュッと肉の断末魔みたいな音がするが音しなくなるまで押さえつけて炒める

→ブナシメジを入れた後切っておいたネギを投入火が通ったあたりで完成、仕上げにレモン汁をかける。



焼かれ抜いたホルモンは脂が削ぎ落とされ旨い。


投資用マンション売りのブラック企業に2年yackはいたが脂にしては多いが最初の1年で100人近く入った新人が10人くらいになる。

キックパンチ当たり前、平均睡眠時間3時間、売らないと休み無し、上司の怒号は挨拶みたいな所を2年勤めたが

yackはホルモンに自分を少し重ねる


ホルモンは元々は放るもんらしく捨てられてた物らしい、煙も出るし火も通さないといけないから先に入れる。ヘラで押さえた時のキュッキュッとの肉の断末魔は殴られてる新人の声に聴こえた。


ただ出来上がりは旨い。

元々は内蔵の捨てる部分の所なのにだ

逆に焼かないとまずくて食えたものではない

使えない。文字通り放る物だ



人も同じで大変な思いや理不尽な環境でいい味が出てくるのかなとyackは噛み締めながらホルモンを口にした。


松阪牛や神戸牛みたいな

生まれが良かったり、学があったりすれば

最初から重宝がられるし、ホルモンみたいな焼かれ方はされない。


yackもバイトの数を指の数ほどクビになったりしたが若い頃は恐らく生焼けのホルモン状態の半端者だったろう。

すぐ喧嘩やトラブルという名の煙を出す。

どこも雇わないし不味くて食えない。



俺もホルモンかもと思い当たる方は冒頭のレシピを作ってみて食べて欲しい

200円くらいでご飯は三杯はイケるし酒の肴にもいい


少し元気と希望が出てくる味です

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