魔法鞄、転生神の加護付き、収納は(容量・大、時間停止)だけど、+アルファ

たかみつ

第1話 オーク討伐依頼 

「なあ、ケンジ! 今日もお前さんのお陰で、俺達大儲けだよな〜

それにしても、お前の魔法! いつ見てもすげぇな〜 今日のは、アレ何だ?」

(まあ、アレは、ただの風魔法の風刃!なんだけどな・・・あいつらには・・・わかんないか・・・)

「ん? あれか?あれはだけど?」

「そんなアホな! 風魔法でワイバーンの首が飛ぶのか? あははは・・・」

(そんなこといわれてもな〜 まあ勝手に言ってろ!)


雇われメンバーとして、4人組のBランク冒険者に誘われて今日で3回目の大物討伐依頼だったんだけど、今日の獲物はワイバーンの群れ6頭だった。

まあ、僕にとってはどうってこともない相手なんだけどね〜 

結局、彼らがが2頭のワイバーンの相手をしている間に、僕の方では4頭がまとめて首なしになっていただけのこと。

そんな経過はどうであれ、収穫した獲物は全メンバーでの山分けということになっている。1/5が僕の取り分なんだけどね・・あと僕は、応援依頼料として一日金貨1枚を別途もらうだけ。それだけ・・・なんだけど・・・


問題は夜に起きた。


交代で夜番するという決め事で、僕の休憩時間になったので、僕がテントの中で寝ていて・・・目覚めた時には、メンバーの4人が地べたで寝ている。僕の魔法鞄を開けたんだろうね、それに仕組まれていた睡眠魔法で鞄の近くで倒れている。

あれほど勝手に鞄を開けるなよ!って言っておいたのにね〜開けたら命の保証はできないよ!ともね・・・(まあ、本当はは命は無事なんだけど)・・・


これは、この魔法鞄に仕組まれている転生神の呪い?(加護かな?) 何かよくわからないものが仕組まれているんだ、これが・・・。

実は周囲には、これは収納の魔法鞄、容量・大で時間停止、っていうことにしてあるけど、収納は僕は自前で容量無限で時間停止の収納スキルを持っているから、それのカモフラージュとして使っている鞄で、最初の転生時にはじめから僕に備わっていたものなんだよ。


あとあと分かったことは、この鞄は僕以外が勝手に開けると催眠の魔法が発動されて、眠った人間からは僕という存在の記憶が消えてしまう、なんていうもの。

だから今夜みたいに、まあ悪意を持って開けようとした奴らが、今この場で眠っているんだ。それで目覚めれば、僕という存在の記憶がすべて無くなっている。

僕としては、鞄の中身の安全が保証されるから、まあ加護なのかな? でも、これって、悪意を持って鞄に近づく奴らにとっては、厄災でしかないよな。

ともかく起こってしまった以上、あと1時間しか余裕は無いんだ! 下手したら僕のも消滅してしまう。

僕は、次はどこへ飛ばされるんだろうねぇ〜 今度で5回目だよ。

僕も、あと1時間でここからは消える。僕がこの地に残した痕跡もろとも・・・



*(最初の依頼)


【掲示板】

*依頼内容 荷物持ちなど不足メンバーの応援します


名前:ケンジ 25歳 レベル 200(実は800※隠蔽)

Cランク冒険者

特技:魔法鞄による収納(容量・大、時間停止)

魔法:全般(得意魔法は光、風、結界、回復)

日当:金貨1枚(長期戦は応相談)



「依頼を頼まれました、僕がケンジですが・・・」

「ああ、すまない。俺達4人は、Bランクパーティの「魔狼の牙」。俺がリーダーのテニー、あとは、剣士のエボとララ、そして魔術師のナナというメンバーだ。

収納持ちのCランク冒険者ケンジよ、俺達のメンバーに加わってくれないか?」

「別に構いませんよ、何をすれば良いですか?依頼料は、僕は一日金貨1枚ですけど・・・」

「ああ、金貨は大丈夫だ。荷物運びと獲物の収納と持ち帰り、それに魔法攻撃での支援などを頼みたい!分け前は、獲物をメンバーで等分する。どうだ?」

「わかりました、よろしく! それで?今回は何を?」

「ああ、ギルマスからの依頼で、オーク数頭の目撃情報があってな、その調査と出来れば討伐!ってことだ。」


やってきたのは、街から出て徒歩1時間程度の山裾の小さな川が流れるあたり。

確かに、オークが5体で歩き回っている。しかし・・・これははぐれじゃあないな、偵察っぽい。どこか近くにオークの集落でもできているんじゃないのか?

そこんとこ、この人たちは分かっているのかな?

気配を探ってみれば、川向うの森の奥に「村」ができてるな・・・オークの総数は35体かぁ〜・・・ 


まあ、さっそく眼の前のオーク5体を相手にするようだね。テニーの合図で、ナナが支援魔法をかけて、エボとララ二人と、5体のオークを挟み撃ちにするようだ。

エボが一体を斬り殺した、一撃だった。残りの4体がなにか騒ぎ出したよ?

ああ、これ、仲間に知らせているよな〜

森の奥から、ドドドドド・・・って地響きとともに、多数のオークが湧き出してきた。 まずい!よな〜


テニーが叫んでるよ? 「ケンジ〜 応援を頼む〜」

はいはい、もうちょっとよく考えてから行動して欲しかったね。

うだうだ言ってる間もなさそうなので、森から出てくる奴らを範囲指定して光射!を浴びせる。細い光の筋がオークたちの眉間を!心臓を! 一斉に貫いている。

ほぼ瞬殺で、応援に来たオークたちが全滅したな。


リーダーたちは、まだ最初の4体を相手にしているけど、これは・・・そっちの応援は要らないよな〜

「おお〜、ケンジ!すげえな〜 瞬殺かよ! こっちは任せろ! オークたちの回収を頼むぜ〜」

はいはい、そういうことなら・・・

瞬歩!で森の中に入っていって、倒れているオークたちを全収納した。全部で33頭。回収完了!

村の奥から、いきり立った気配が伝わってくるね、これは大きな気配だよ?

鑑定!では、オークキングとオークジェネラルって出てる・・・

まあ、僕の相手ではないだろうけど・・・ここは、リーダーの意見も聞かなければ・・・だよな。


なので、彼らの戦闘現場に戻ってみたけど、あれ? まだやってるよ、それに・・・ララ剣士とナナ魔道士が疲れて膝を付いてしまってるし、テニーも、エボ剣士も息が上がってる。反対に、4頭のオークはまだまだ気力、体力も十分!ってことかぁ〜

「助太刀!しま〜す」

って、風刃!を4発で、4頭の首が飛んだ。


「なにぃ〜? 瞬殺かよ! ケンジ!お前・・・・何者?」

(うん? C 冒険者ですが?)


「リーダー、この奥にオークの村ができていて、33頭は狩りましたが、あと2頭残りがいます。キングとジェネラルですが、こいつらはどうしますか?

「どう?っていってもなぁ〜 俺達、もう動けねぇし・・・」

「なら、僕がやってきましょうか?」

「何? お前が? できるのか?・・・」

「ええ、まあ、問題は無いはずです!」

「分かった、応援はできないぞ〜 死ぬなよ!」


「ああ、獲物の?心配ですか? まあ、獲物を収納した魔法鞄をここに置いておきますから・・・もしもの時は持ち帰ってください! ただし、これを勝手に不用意に開けようとすれば、みなさんに災いが降りかかりますから注意してください! では! 行ってきます」


魔法鞄をそこに放置して、注意しておいたけど、開けないでくれよ・・・


村の奥の屋敷の前には、(このやろう、待たせやがって・・・)というような顔で、でかいね!大きなオークが2頭、剣を構えているし・・・


先にジェネラルが大剣をブンブン振り回して向かってくる〜

麻痺!を飛ばして拘束!で動きを止めて、光射!で眉間を射ぬいた。オークジェネラルが大剣を振り上げたまま、仁王立ち姿で死んでいるよ。

それを見たキングが、森の奥へ逃げようとしたのか?走り出した! 逃さない!よ・・・

後ろから、光槍!で心臓を射抜いてやった。

さあ、残りのオークの気配は・・・無し。 終わったな・・・

魔法鞄は向こうに置いてきたから、とりあえず、遺体以外の大剣やその他のものは僕の収納にもらっておこう。


家?というか小屋の中に入って、物色してみる。マッピング!に金属物が表示される。お宝があるみたいだな。

ご丁寧に木の箱に詰め込まれている。人間の金貨、銀貨、誰かから奪ったのだろうけど、剣、弓、などなど、もう面倒なので、箱ごと収納! 

キングとジェネラルの2体はあとで、リーダーに見せなければ!だよね〜


と、気配が? 小屋の奥に・・・人間の気配がある。生きてるな・・・

探ってみれば、女性が2名と女の子が2名。なんだ? オークたちに捕まっていたのかな?

これは、面倒だな・・・メンバーの女性陣に任せよう!


戻ってみれば、4人共、まだ地べたに座り込んでいるので、まあ、軽くヒールをかけてやったよ。

「おお、ケンジか? 無事か?」

「まあ、ご覧の通りですけどね・・・まだ辛いですか? ヒール!」

「すまん、随分良くなったぞ〜 ありがとう!」

それで、キングとジェネラルの遺体はどうしましょう? って聞けば、「回収してくれるか?」って言われるので、魔法鞄を担いで・・・

「そうそう、オークの村の奥の小屋に、オークに捕まっていたらしい女性と子供が生きているようですが、これは、そちらのララさんとナナさんにお願いできれば?」

って話して、了承してもらえたので、二人と一緒に奥へ向かう。

リーダーとエボ剣士も、トボトボ・・と付いてきてるな・・・


家の前に転がる大きなオークの遺体を横目に、「家の中の奥にいますから」って場所を教えてあげたら、二人が走って入っていったよ。

さて、リーダーたちも追いついてきて、うつ伏せのキングと仁王立ちのジェネラルの遺体を見ているので、「いいですか?」って、そのまま魔法鞄に入れるふりをして収納!

「ケンジ、あれ、お前、ひょっとして?瞬殺なのか? 傷が一箇所しか無い・・・」

「ええ、まあ、なんとなく・・・ですかね?」


「すげえ!なぁ〜 お前、何者?」

「それ何度言うんですか? だから僕はCですよ〜」



ギルドに戻って、取り決め通り収穫は等分だからね、彼らも良い目をみたな・・・ オークのお宝? 何も話してないよ? まあ、僕がもらっておいても文句はでないだろ?・・・


*オーク村討伐と女性たちを救出



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る