とある探偵助手と少女たちのショートストーリー

エイプリルフールの名探偵

「君は嘘をつかないけど隠し事はするよね」

 それは俺の過去のことか。あるいは今朝、俺が誤って割ったアレのことか。咄嗟に「そんなことはないさ」と目を背ける。

「音、早いよ」

 シエスタの手が左胸に触れる。

「……なにが望みだ?」

「高いティーカップで紅茶が飲みたいな」

 明日は彼女の誕生日だった。

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