第77話

「っくん、りっくん…も…、そこばっか…やだ…っ」

 広い肩に爪を立てながら訴えたら、ようやく唇を離してくれた。

「やん…っ」

 最後にぺろりとひと舐めされた。

「はは…真っ赤。やばい。声可愛いし、触り心地めっちゃいいし堪んない…」

 胸から顔を上げたりっくんが、また唇を寄せてきてくれたから、そのシャープな頬を両手で包んでキスをした。


 どんなに息が苦しくてもキスは幸せ


 胸を弄っていた手が、今度は下に下りて行ってる。

 ゆっくりとお腹を撫でて、チノパンの上から脚を撫でる。

 りっくんの手がチノパンのボタンにかかった。長い指が片手で簡単にボタンを外してしまって、ファスナーが下ろされていく。


「んっんっんっ」

 舌を入れられながら下着の中に手を入れられた。

 おしり…っ、撫でて…、指、指が…っ

 触ってる。身体の奥。自分以外触れないところ…に…。

「…ここ、いい…?」

 熱っぽい目で、じっとりっくんが見つめてくる。

 ブレーキ壊れてる、とか言いながら、ちゃんと僕に訊いてくれる。


「怖い?」

 問われて、ぎこちなく首を横に振った。

 …半分は、うそ

 何をされるか、じゃなくて、自分がどうなるか、が、ちょっと怖い。

 何をされるか、は、もうなんとなく分かってる、から。


「できるだけ、優しくするから…」

「あ…」

 するりと下着ごと脱がせれてしまった。

 は、恥ずかし…っっ

 脚を閉じる前に腕で止められてしまって閉じられない。

 太ももを撫で下ろしたりっくんの手が、再び奥の入り口に触れた。

「……っ」


 びくっと脚が跳ねた。声も出せない。りっくんの指が何かを確かめるようにゆるゆる動く。

「…そっか、濡れないのか…。ごめん空、あれ貸して」

「…え?」

「青いチューブ」


 そう言ってりっくんが起き上がって、僕の机に向かった。

「ごめんな、今度プレゼントするから」

 りっくんは机の引き出しを開けて、青いチューブを取り出すとベッドに戻って来た。

「うっかりしてた。ごめん、…初めて、だから…」

 そう言われて、うん、て頷いた。

 僕もりっくんも、初めて。


「りっくん、キス…して?」

 手を伸ばしてりっくんの肩に触れた。張りのある硬い筋肉がすごく綺麗。

 キスをしながら、りっくんの肩や腕を撫でてみる。

 …何をしたらこんなに綺麗な筋肉が付くんだろう。


「…空、ちょっとくすぐったい」

「だって…僕も触りたい…」


 唇を合わせたまま喋って、また深く口付けた。

 りっくんの胸から背中に手を這わせて、肌の感触を楽しむ。りっくんがくすくす笑ってる。


 大きな手が脚を撫でて、膝を立てられて…開かされた。

 恥ずかしい…

 ただでさえ強く鳴ってる心臓は、もう爆発しちゃいそうだ。

 りっくんの手が、ゆっくりと脚の付け根の方に下りてくる。

「…ん…」

 ぬるっと奥の入り口を撫でられた。

 

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