デストロイヤー~理不尽がまかり通る魔界で異世界転移してきた勇者の俺が一番の理不尽な件について~
まんじ
プロローグ
俺の名は
16歳。
異世界から魔物の世界――魔界へとやって来た勇者だ。
そして今現在、俺は魔物の通う学園へとやって来ていた。
より正確に言うなら、
「じゃあ明日から、俺はこの学園に通うから」
角の生えた人型の蛙――学園の理事長が地べたに這いつくばって、理事長席に座る此方を見上げていた。
俺はそいつに向かって、明日から学園に通うと宣言する。
「はい!仰せのままに!!」
理事長が俺の言葉に、文字通りカエルの様に頭を下げる。
何で理事長がそんな低姿勢なのかって?
極極簡単な話である。
やはりコミュニケーションは大事である。
因みに、先に手を出して来たのは理事長の方だ。
理事長室にサプライズお邪魔したら、『知れ者が!死ねぇ!!』とか言ってかかって来たからな。
だから俺のやった事は正当防衛の範疇と言っていいだろう。
え?
勝手に潜入しておいて正当防衛?
そう思うかもしれない。
だが、元々世界ってのは誰の物でもない。
居住権なんてものは、先に居た奴が此処は俺の場所だと主張しているだけに過ぎないのだ。
そんな主張を、何故俺が聞かなければならないのか?
答えは明白である。
よって、先に手を出した蛙の理事長が悪い。
QED――証明終了。
「後、住処とかも頼むわ。金は――まあそれはいいか」
下僕とはいえ、全て用意させるのは流石に良心が痛むというもの。
そちらはガラや素行の悪そうな奴らから巻き上げる事にする。
デカい都市なので、探せばいくらでもロクデナシ共は転がっている事だろうし。
「
俺の言葉に、理事長が頭を地面に擦り付けた。
たかだか数回殺される&逆らえなくなる呪いをかけられた程度で、ビビり過ぎである。
そんなんで、よく魔物が通う学園のトップに立てるもんだと呆れてしまう。
「ま、これからいろいろと融通を働いてもらう訳だからな。褒美をやるよ」
ちょっとしたプレゼントくれてやるとしよう。
「ほ、褒美ですか?」
「ああ」
理事長に手を向け、特殊能力を発動させる。
俺がかつて両親の死と引き換えに
「ぉ……おおぉ……これは……」
カエルが自分の変化を感じ、湧き上がって来る力に感嘆の声を上げる。
前居た世界――ファーレスでも力の強弱は重要だった。
魔物の世界ならそれ以上だろう。
「じゃ、よろしく頼むぞ」
「この命に賭けましても!」
さあ、
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