第21話 わたくし古舘別に何も悪くないのに投獄されましたショーンKさん助けてーー!

「どぅえーー!!私古舘!たった今地下牢に幽閉されたのでありますぅぅ!!」


 ガシャーン……


 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「────というわけです」


 ナスカはブリッジ国王に戦争の開始から古舘との出会いについて、一連の説明をした。


「それにしても、フルタはどうしてガイコツ騎士の弱点が分かったんでしょうね、ブリッジ国王?」

 国王に対して揺さぶりをかけているショーンK。


「…何が言いたい」


 国王はだいぶ落ち着いた様子だが、まだ怒りの火薬が残っているかもしれない。

 まあナスカとショーンKの2人からしたら知ったこっちゃないのだろうが。


 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


「ああ…焦唇乾舌しょうしんかんぜつの踏んだり蹴ったりであります。早く元の世界に帰りたい。」


 嘆き悲しむ古舘であったが、牢屋に入れられて数時間が経ったある時、ゴツゴツした土壁の廊下奥にある入口の鉄扉がギィィと開いた。


 その人物は歩いてくる。証明は粗末なものなので薄暗く、顔は見えない。

 だが近づくにつれて、徐々に見えてくる。


「古舘さん」


 ショーンKだった。


「え、またショーンKさんですか。もういいです。元の世界に帰らせて下さい」


「えっ!そんな!助けに来たのにぃ!」


「いや元はといえばアナタ方がまいた種なんですよ。さしずめマッチポンプというか。そのマッチ部分に巻き込まれて…私は元の世界で仕事がしたい」


 古舘はもはやツッこむのも面倒になっていた。そしてホームシックにかかっていた。


 本来、通勤途中であったのだ。トラックにはね飛ばされてから相当な時間が経っている。


 完全に遅刻だ。仕事に穴を開けてしまっている。

 古舘はそれに耐えられなかった。


「映画の撮影でないことは分かりました。どうやったら元の世界に帰る事ができるのでしょうか」


「んー、分かりません。何かミッションがあるのかもしれませんね」


 古舘の質問に対しショーンKは鍵を開けながら言った。


「転生した人間には何か共通点があったりするのか…?」

 古舘は探偵のように右手を口元に持ってくる。


「そういえばショーンKさんはどんな感じでこの世界に来たんですか?」


「僕ですか?僕はですねえ」


 ショーンKは語り始める。




 次回、回想 ショーンK主人公視点!

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