第18話 肉を斬らせて骨を弾けとばし勝利したナスカですが私古舘大きな勘違いをしていたようでありました
「どうですか!!解説のショーンさん!ねえ!」
「勝手に解説者にしないで下さい」
ガイコツ騎士が崩れたと同時に、悪魔のような馬も紙が燃えるように消滅した。
────激闘は終わったのだ。
広大な草原にはどこの部位かも分からない骨と人間兵の亡骸が大量に転がっている。
ナスカの肩傷はかなり深く入っており、片腕は動かせない。
そして、被っていた鎧兜の紐部分を右腕で雑に引っ張り上げ、シャワーを浴び終わった犬のように首を振りながら脱いだ。
「いま覆いかぶさっていた鉄の塊を、ナスカ自身が投げ捨てました」
そして古舘達の方を振り返る。
驚きで古舘は目と口を大きく開いた。
「女!?」
その女の目は吊り気味だったが、大きい。まるで猫のような目だ。
クローズヘルムを脱いだ際に中からなめらかに、そして柔らかくしなりながら出てきた髪色はカフェオレのようなやさしい茶色だった。
さっきまで生きるか死ぬかの激しい戦闘をしていた者と思えないほど、やさしく穏やかな顔でこちらに微笑みを向けている。
古舘は数々の芸能人と共演してきた経験ゆえ、美人というものの基準が古舘自身の中で上がっており、世間一般基準で美人とされる人間に対して目が慣れてしまっていた。
だがそんな古舘から見てもその女はかなりの美女であった。
「ああそうだ。言ってませんでしたね。ナスカは女性ですよ」
ショーンKは平然と言う。
「そうだったのか!!…でもたしかに華奢な体つきだとは思っていましたが…そしてまだ幼いようにも見えますね」
「15です。」
「15!?」
とんでもない人間もいたものだと古舘が驚いていると、ナスカがこちらに歩み寄ってきた。
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