わたくし古舘伊知郎が転生した先はドラゴン大山脈な怪物ひしめく異世界なのでありました!
第15話 どうやら私の実況がナスカの邪魔になっていたようですが私は実況というに対しては誇りをもっていああっと遂に決着がつこうとしております!
第15話 どうやら私の実況がナスカの邪魔になっていたようですが私は実況というに対しては誇りをもっていああっと遂に決着がつこうとしております!
3分ほど硬直している両者。
古舘伊知郎は野生の本能並に実況が習慣になっているのか、注意したところでどうしても反射的に実況してしまうため、ショーンKが古舘の口を押さえている。
古舘伊知郎はもごもご言っている。
展開が変わるのは突然だった。
数分間の「静」が「動」に変わったのだ。
「両者同時に動いた!!!!」
古舘が興奮し過ぎてショーンKの手は抑えきれなくなった。
「お互いがすれ違い、立ち位置が入れ替わる!!この出来事が起こった時間はカメラのフラッシュをたく刹那的コンマ秒数!なんということでしょうかわたし古舘伊知郎は人類の到達点のその先にいる神の使いの闘いを観ているのでゴフッ」
今度はショーンKの鉄拳がとんできた。古舘の興奮して汗が流れている頬にめり込んだ。
ダメージは遅れてやってきた。
ナスカの右頬に長く深く赤い刃の傷跡が刻まれ、脇腹にも鎧が防ぎきれず生身に入った刃傷ができたようで、ドクドクと流血が流れてきていた。
────自分のダメージはいい。相手に致命的なダメージが入っていさえすれば。
肉を切らせて骨を断つことが目的だった。
だがガイコツ騎士のダメージといえば頬に(頬骨?)多少ヒビが入り、トゲが付いていて重そうな左の肩当てが飛んで行った程度だった。
「…っ!」
さすがに動揺を隠せないナスカ。
「そんな!ナスカの全力をもってしても勝てないのか!?」
ショーンKは叫んだ。
古舘は気絶して倒れている。
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