第6話 料理したくない、でもお腹は減る

 料理を作るのは好きではない。しかし、子供の頃から料理の手伝いとかしていたため、料理を作ることはできる。どうも周囲は私は料理ができないと思っている人が多いのだが、料理するのが好きか嫌いかとできるかできないかが対応していると考えているからではないかと思う。


一緒に食べる人がいるときは、それなりに作っていたのだが一人になると途端にめんどくさくなった。適当に食事を済ませている。外に出るのも面倒な時に、本当にあるものだけですませる。そんな食生活を続けていて、気がついたことがある。栄養が偏る食事が続くと、お腹がそれ程空かなくても常に何かが食べたくなる。それなりにバランスの良い食事をすると、間食しなくなる。いや、お腹が空いていない時に何かを食べたいと思わないのだ。例えば一品でいい、きんぴらとか煮物とかそんなものがあるかないかでも違ってくるようだ。


そういえば、昔聞いたことがある。蚕は桑の葉しか食べないが、桑の葉の成分をろ紙に浸してやると蚕はそのろ紙を食べるそうだ。しかし、ろ紙には栄養がない。その結果、ろ紙だけ食べさせた蚕はお腹いっぱいなのに、栄養失調で死んでしまうと。


偏った食事をしているのは、ろ紙を食べてる蚕状態なのではないだろうか。栄養が供給されない体が「必要な栄養を摂取してくれ」と要求しているのが、あの妙にお腹が空いてないのに何か食べたいになっているのではないのだろうか。でも、残念ながら何を食べたいのかについてまでは全くわからない。そこまでわかると便利なのに。

 そうは言っても元々料理を作ることは好きではないし、食べることもさほど興味はない。だから適当に済ませたい。


だがしかし。マンガを読んだり、小説を読んだりするとちょっとしたものが食べたくなる。どこかの店にはいって簡単につくれます的な道具があると、なんか食べたくなったりしてしまう。この前はサバ缶をつかってレンジで簡単調理用のカップみたいなのを買ってしまった。テケトーに冷凍野菜入れて、サバ缶の味噌煮入れて、レンチンで出来上がり。たまにサバ缶買ってきて食べている。この前YouTubeで美味しそうな大根の煮物の作り方をみたら、翌日つくっちゃいましたよ。なぜなら手間が簡単そうだったから。簡単は正義だ。


 野菜を食べるという点に関しては、ものすごく野菜が偏っている。一週間に1回ぐらいの割合だが、キャベツか白菜を買ってきてスープにする。キャベツはポトフにすることが多い。ポトフのソーセージは色々試したが、一番は知り合いのハム・ソーセージ店で売っている粗挽きソーセージなのだ。


だが、これは中々お高いので味が抜けてしまうポトフにはちょっとためらう。お高いのとちょっとお店が遠いのでこの頃は買ってないけどね。で、スーパーで売ってるソーセージを色々と試してみた。残念なことにお安いソーセージは一度煮込むと味がきっちり抜ける。悲しくなるほどに。その中でも善戦しているのがシャウエッセンで一度では味が抜けない。味と値段は比例しているのか。ただ、一度で食べきれないので二度三度続けて火を入れるので、煮込むのが続くとやっぱりシャウエッセンも味は抜ける。抜いて煮込めば良いのかね。シャウエッセンよりもお高いものは買っていないのでわからない。スープ作るのはそんなに手間かからないし、楽。


実は、スープを作るようになった遠因は『転移したら山の中だった…』だったりする。暖炉にかけとくだけとかいって色々なスープが登場しているのを読んで、一回できちゃえば何度も食べられて便利とか思ってやり始めたのがきっかけ。『山の中』ではもっとおいしい手間かけた料理がたくさん出てきて、ついつい作り方とか調べちゃうけど。あれは魔の悪い時に読むと超お腹がすく悪魔の本だと思う。美味しいものが食べたく成るし。ジーンを派遣してくれないかなとちょっと思う。まあ派遣可能でも断られると思うが。

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