第4章 デート 第4節 大切に守りながら

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 沙恵さえ二郎じろうが、

猫が苦手であることを知って、

女性が苦手なのかと思ったり、

同性愛者かもしれない

と思ったりした時期もあった。


 同性愛者なら、

別にそれでも、

二郎は二郎だし、

かまわないと思っていた。



 しかし、

二郎は同性愛者ではなかった。


 二郎が好きだったのは、

沙恵だけだったのである。


 奥手な少年の、

秘めた想い、

だったのである。



 沙恵の代わりは、

他に誰もいない。


 沙恵と叶わないなら、

生涯独身でいよう、

と思っていた。



 その秘めた想いが、

秘めなくてもよくなるかもしれない。


 二郎の心の中にも、

沙恵との未来への扉が

うっすらと現れた。

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