第2章 再会  第2節 楽しい食事

4


 「アルコール消毒のしまくりで

手荒れがひどくって。」


 沙恵さえは手をさすりながら言った。


 「そうなんだ。俺はこれを使ってるよ。」


 二郎じろうは、ウエストポーチから

ハンドクリームを取り出した。


 「さすがお医者さん!」


 「一応、専門は皮膚科なんだ。」


 「そのハンドクリーム、使ってもいい?」


 「いいよ。どうぞ。」



 沙恵は二郎のハンドクリームを、

荒れた両手に擦り込んだ。



 「今はまだ

医療の仕事をしてはいないんだ。」


 「そうなんだ。

なんか、将来の皮膚科医が持ってる

ハンドクリームって、

塗っただけで一発で治りそう。」


 沙恵は聞いていないようで、

ちゃんと聞いてはいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る