仮題 ふみ

第3話

「お前のあばら家は儂が引き取ったから、代わりに、これをやろう…」

と、庄屋の源蔵は、死んだ女房のお古の着物と帯をふみに放った…。

「明日からお前は、この家の仕事をやれ…今日の飯は納戸へ運んで食え…」

ふみは、女中が置いた、勝手場の土間から飯を離れの納戸へ運ぶ…。

麦飯に温かい味噌汁、それに香の物まであり、久々のごちそう…。

腹が満ちてさっき貰った着物で布団代わりに身体を覆い、納戸の床板の上で眠る…。

夜が、まだ明け切らぬ前、納戸の扉をガラリと開き、庄屋の源蔵が入って来た…。

「こら！何時まで寝てる！」

と、手に持つ小枝でふみを叩く…。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

「良いか？今日からお前は、朝起きたら井戸水を汲み、勝手場のかめを満たすのだ！それが済めば庭を履け！庭を履いたら、廊下を拭き、それが済んだら洗濯だ！」

ふみは黙って聞いている…。

「返事は？！」

源蔵は容赦無く、小枝を振るう。

「ひっ…はい…」

ふみは源蔵の言い付けを守れば、日に、２度の食事が貰える…ふみは朝から、日が落ちるまで懸命に働いた…。

ひと仕事終えて、土間に座って飯を食べ、畑仕事を夕刻まで手伝う…。

畑では、子供達に忌み嫌いの子、禁忌の子と石を投げられ顔を覆うが、村の大人は、ふみは庄屋に囲われたと面と向かって罵倒は無くなり、影で禁忌だ忌み嫌いだと囁く声は耳に入り、ふみは辛くて下を向く…。

暗くなり、勝手場に行くと、皆の食残りの晩食となる…。

残り物とて、ふみにはご馳走である…。

飯に汁、香の物に時には魚や野菜の煮付けまであった…。

食べ終えると、勝手場に戻り、皆の食器を洗って、納戸で眠る…。

疲れて疲れて、泥の様に眠る…。

「お前のあばら家は儂が引き取ったから、代わりに、これをやろう…」

と、庄屋の源蔵は、死んだ女房のお古の着物と帯をふみに放った…。

「明日からお前は、この家の仕事をやれ…今日の飯は納戸へ運んで食え…」

ふみは、女中が置いた、勝手場の土間から飯を離れの納戸へ運ぶ…。

麦飯に温かい味噌汁、それに香の物まであり、久々のごちそう…。

腹が満ちてさっき貰った着物で布団代わりに身体を覆い、納戸の床板の上で眠る…。

夜が、まだ明け切らぬ前、納戸の扉をガラリと開き、庄屋の源蔵が入って来た…。

「こら！何時まで寝てる！」

と、手に持つ小枝でふみを叩く…。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

「良いか？今日からお前は、朝起きたら井戸水を汲み、勝手場のかめを満たすのだ！それが済めば庭を履け！庭を履いたら、廊下を拭き、それが済んだら洗濯だ！」

ふみは黙って聞いている…。

「返事は？！」

源蔵は容赦無く、小枝を振るう。

「ひっ…はい…」

ふみは源蔵の言い付けを守れば、日に、２度の食事が貰える…ふみは朝から、日が落ちるまで懸命に働いた…。

ひと仕事終えて、土間に座って飯を食べ、畑仕事を夕刻まで手伝う…。

畑では、子供達に忌み嫌いの子、禁忌の子と石を投げられ顔を覆うが、村の大人は、ふみは庄屋に囲われたと面と向かって罵倒は無くなり、影で禁忌だ忌み嫌いだと囁く声は耳に入り、ふみは辛くて下を向く…。

暗くなり、勝手場に行くと、皆の食残りの晩食となる…。

残り物とて、ふみにはご馳走である…。

飯に汁、香の物に時には魚や野菜の煮付けまであった…。

食べ終えると、勝手場で、皆の食器を洗って、納戸に戻り、むしろを抱いて眠りつく…。

疲れて疲れて、泥の様に眠る…。