リボン結び

本島の隅っこで響いた砂

騒がしく結ってリボンテープ


心置きなくデートするにも僕ら

奇妙な規約が多過ぎて


はぐらかして爪をなぞって

帰り際の熟れたほっぺ

車線の向こうに折れた蜘蛛の巣

ごちゃごちゃとして絡まるのは


短いアイデンティティでは

理屈を上手く受け取れなくて

カジュアルなキスを待ち望んだ

電線の上 知らない鳥達

溢れ出す気持ちのままで

お別れと 手を離した


スニーカーの紐を結ぶ時だけ

あんなに無防備な人はそういない


ハグした後 詰めが甘くて

ポケットから溢れるMonday

君だけを求めるように

なってしまうには若くはないけれど


障害が多ければ多いほど

人は恋に燃えるらしくて

負担のない人生って何だろう?

僕らはまた無意味に抱き合った

感傷的になる気がして

映画に一つ 今頃ダビング


価値観を擦り合わせるほど

無意味な時間はないって


君を求める僕は濁って

誰もいない夜の公園

白々しくて甘く美味くて

ほどけやすいのは分かるけど


短いアイデンティティでは

理屈を上手く受け取れなくて

カジュアルなキスを待ち望んだ

電線の上 知らない鳥達

溢れ出す気持ちのままで

お別れと 手を離した

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る