獣人騎士は尊き人間を愛す

第69話 重ね合う想い

最初は蕾の入り口を丁寧に解していた指が、ゆっくりと中へ押し入り、出し入れを繰り返す。

違和感を感じていたその指が、次第に増えていくにつれて樹の口元からは甘い声が漏れ始める。

「あぁっ・・・あぅ・・・んっ・・・」

「樹、大丈夫か？」

「うぅんっ・・・だ・・大丈夫・・・でも、なんか変な感じがする・・」

「ここ・・・気持ちがいいだろう？さっきからここに触れる度に、中がビクビクしている・・・」

そう言いながら中にある膨らみを擦るように撫でると、樹は身を捩り声を漏らす。

「あぁんっ・・・レイ・・・あっ、あっ・・・」

枕を抱き寄せなが身悶える樹に、レイは可愛いと呟きながらそこを何度も擦り上げる。

「あぁぁ・・・レイ・・・もう、だめ・・また出ちゃう・・」

「気持ちがいいなら出して構わない」

「んんっ・・・あっ・・・レイ・・・まだ、だめなの？これじゃあ、最後までするのに僕、気持ち良すぎて疲れちゃう・・・レイと一緒に気持ち良くなりたい・・」

「あぁ・・樹、煽るんじゃない」

「あぅんっ・・・だって、もう・・長い事してる・・・レイ・・お願い・・」

目に涙を浮かべて懇願する樹に、レイは小さくため息を吐いて樹にキスをする。

「わかった・・・なるべくゆっくり、少しつづするが、辛かったらすぐに言うんだぞ？」

「うん・・・ねぇ、早く・・・」

その声にレイはゆっくりと指を出すと、その手に付いた香油自分の物に絡め、蕾へ押し当てる。

「できるだけ力を抜いて、息を止めるんじゃないぞ？」

「わかった・・・」

樹の返事を聞くと、レイはググッと中へと押し入る。

「あうっ・・・」

想像以上の大きさと、押し入ってくる圧迫感に樹は悲鳴にも似た声を上げる。

それでも力を逃させるかのように何度も小さく深呼吸をして、レイを受け止めようと枕を握る。

どんどん入ってくる圧迫感は重みへと変わり、ちゃんと自分の中にその存在があると主張してくる。

「樹・・・大丈夫か？」

「うん・・・全部入った？」

「あぁ・・だが、馴染むまで動かないでいる」

レイの答えを聞いて、樹はにこりと微笑みながら自分のお腹を撫でる。

「これがレイのだよね・・？僕、嬉しい」

大きさのあまり樹の腹部はぷっくりと膨れ、レイの物の形を成していた。

「樹、あまり煽るなと言っただろう・・・？」

「煽ってなんかいないよ・・・レイ、気持ちいい？」

「あぁ・・・気持ちよくて温かい。それに、今、とても幸せだ」

「良かった・・・僕も幸せだよ・・・レイ、僕に愛をくれてありがとう。ずっと僕のそばにいてくれる？」

「当たり前だ。絶対離れない。樹、愛している」

「僕も愛しているよ」

2人は互いに見つめ合い、微笑みあった後、誓い合うようにキスをする。それを合図かの様にレイはゆっくりと腰を動かし始める。

最初はゆっくりだった動きも次第に激しくなり、樹の甘美の声と一緒に打ち鳴らす音が響く。

「レイ・・・レイ・・・僕、気持ちいい・・・」

「あぁ・・・私もだ。樹の中に溺れそうだ・・・」

「レイ・・・僕を噛んで・・・レイの証を付けて・・・」

「樹・・・もう少しで私も果てる。一緒に果てよう・・・」

レイは打ち付けながら、樹へと覆い被さる。そして大きく打ち付けた後に樹の中へと果てる。樹もまた、体をビクつかせながら同時に果てた。

「樹・・・子種を注いでいる間、コブが出る。それが落ち着くまで待ってくれ。それから・・・」

言葉を紡ぎながら樹の体を起こすと、繋がったまま樹を自分の膝に乗せキスをする。そして、優しく樹の頸を摩ると小さく唸り声を上げ、口を開く。

口からは鋭利な牙が見えたが、痛いはずのその噛む行為が樹にはとても淫美に思えて、小さく声を漏らしながら身を任せる。

コブが治るまで噛み続けたあと、レイはペロリと傷を舐め上げる。

「樹・・・私を受け止めてくれてありがとう。本当に幸せだ」

「うん・・・僕も幸せだ。これで、本当に僕はレイのものだよね？」

「あぁ・・・誰にも触れさせない。樹は私の唯一無二の番で愛する人だ。改めて誓う。私の生涯をかけて樹を守り愛し抜く。ずっと私の側で、私を愛してくれ」

「僕も誓うよ。僕の生涯は全てレイに捧げる。この先ずっとレイだけを見つめて、レイだけを愛するからね」

2人は言葉を囁きながら愛を誓い合い、その夜は何度も体を重ねた。