克弥とカッチャン

岩坂克弥

第1話 逃亡中

青年と中学生か高校生くらいの少年がどこの遊園地だろうか、廃墟の茂みに隠れる。

「こっちだ」

少年が青年の手を引っ張る。

「居たぞ!掴まえろ!」

走りながら捕まれた腕を見る。白のつなぎで上部分は脱いで腰で縛っている。

腰は細く華奢で白のハンクトップから覗く項と肩は幼さが見える。

夢で会うこのひとはだれだろう。自分のことを克弥かつやと気安く呼ぶ。

「克弥?」

ふと我に返る。走りながら

「少年、ここはっ、ここはどこだっ。」

「お前、しゃべった?!・・・こっちだ!」

左に曲がりすぐに茂みとレンガの壁の間に滑り入った。

少年に抱きしめられる。少年の頭が自分の肩にあたったかと思うと耳元で囁かれた。

「克弥。よく聞いて。ここはクリスタルパレスという場所で囚われの国というところ。合図するから!絶対に合図するから、来てくれ。来なかったら承知しないぞ。」

そういって自分にキスをしてくる。

良くみると自分は黒のつなぎを着ていて黒のタンクトップを着ている。

ざーっと首からタンクトップが引きちぎられて情けない腹が出る。

眉間を歪めて悩んでしまった。

少年の左手が自分の右肩甲骨を捉えて引き寄せる。キスも拒否しているのに入ってくる。

自身を優しくもみこまれて、声が出そうになると少年のキスに塞がれる。

久しぶりに頭の中に色々な感情が流れ込んでくる。これは気持ち良いという感情なのか少年としているという背徳感からの高揚なのか判断に困る。

「克弥、俺の唾液飲んで」

「え?」

キスをされて舌が絡み合い、糸をひきながら混ざっていく。

頭を鷲掴みされて地面に尻もちをつく。

「呑め。」

天に顔を向けさせられ、口を口で強引に開けると唾液をいれてきた。

「ゴホッゴホッ。」

ゴクリと喉の音がした。

「呑んだな。あとはこの場所を思い出してくれ。ゲートは必然。」

ニヤッと笑う少年をあとに克弥は意識を飛ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る