夢日記

仁瓶 龍雅

第1話

グラグラの塔の頂上には二頭の虎。

体の一部が塔に組み込まれていて、すごい形相でこちらに視線を放っている。

怒りのように見せかけて泣いている。

本当によく鳴いた。


こんな姿にしたのは誰か、

そんな気持ち。


許せたのは?


虎が問いかける

「お前の望みはなんだ」

1度目は無言

もう一度問いかけてくる

2度目は心の中で答えた


虎の質問の真意を、心を読んだ。


食い殺される、直感的に分かった。

絶体絶命になった事に気づいて人は初めて本当の望みを言える。

声高らかに答えた瞬間、塔の頂上に飛び乗って襲いかかってくる虎を回避した。

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