第8話 らいかんさんやっぱり逝く。

「あ…不思議。体が大分軽くなったわ。」

ふふふ。秘伝のお茶を飲んでアナリーさんは元気になったようですね。


「ここからは、歩きますか?私に乗れば森までは直ぐですが。」

「じ…時間があるのなら、出来れば徒歩で…。」


「乗り物酔いは直ぐには慣れませんものね。」

「乗り物…。いえ、ごめんなさいね。らいかんさん。」


村を出て、森までは徒歩で逝くことになりました。

さて、わたしはここからがドキドキタイム。


 ◇


村を出て少しづつ木々が多くなってきます。

くんくん。くんくんくん。

あら、このまま歩くとホブゴブリンの一団と遭遇しますね。


「アナリーさん。このまま進むとホブゴブリンが沢山いますが、わたしに乗り…」

「ませんんん~。」


ちょっとスピード出しすぎちゃいましたかね?即答拒否されちゃいました。

でも、帰りは逃がしませんよ。ふっふっふ。

おっと本音がごほんごほん。


「それでは、頑張って倒しましょう!」

「ええ!任せて!」(キリッ


あらやだ!聖騎士のキリッとした顔になってます!

アナリーさんは綺麗な顔だから、かっこいいのですよ。憧れます。


 ◇


見えてきました。沢山いますね~。ええと、ひい・ふう・みい…沢山!


「私がらいかんさんを守ると約束したものね!実力をお見せるわよ。」

そう言うとアナリーさんは、レイピアを立て一団に向かっていきます。


それでは、折角なので見物させて頂きましょう。


おお。

突く!突く!魔法を入れて~突く!やっぱり強いですね。アナリーさん。


ホブは連携してくるので、4対1なんて局面があるのですが、それを難なくですね。


あら?森の影からホブゴブリンがわたしに向かってきました。

邪魔。アナリーさんが見えないじゃない! ドガッ!


また来ました。邪魔! ドガッ!!

わわわ!アナリーさん4連撃!なんて。 ドガッ!

すごいじゃ ドガッ!

ない!! ドガッ!


お見事です!!!

合計12体ものホブゴブリンを息も切らさず倒しちゃいましたよ!


「アナリーさんお強い!見惚れてしまいましたよ!」

「ふふふ。守るって言ったで…え?」


「え?」


「後ろ…ゴ…ゴブリンジェネラル?」


ああ。後ろにいるデカいののことですね!

今度はわたしが魅せる番です。


「大丈夫です。今度はわたしの実力を!」


「何言ってるの!!Eランクの冒険者では無理よ!どうしても戦うなら私も一緒に戦うわ!!」



あ。うん。。読者の皆様。ご察しの通りですよこれ。

この展開だけは、毎度未来が見えるの。凄いでしょわたし…涙



「じゃあ行くわよ!らいかんさん!」

「ええ!わたしを守ってくださいね。くれぐれも切らないでくださいね。」


そう言いながらわたしは後ろを振り返り、ゴブリンジェネラルの斧を交わします。


「今よ!はぁあああ!一閃!!!」

『キャイン!!!!』





はい。今日もまた、わたしの倒れている姿が見えています。

あまりの痛さに幽体離脱13mです。記録更新ですよアナリーさん! 涙

因みに毎回心臓のコアが一回止まるんですよね。割とマジで。


「やったわ!らいかんさん!ライカンスロープを一突きで倒し…え?」


…もう、本当に馬鹿なのでしょうか。涙


ええ。ええ。もういいです。大丈夫です。

はい!今日もらいかんさんが逝きましたー。


わたしの身体能力なら避けれるはずなのに、絶対にクレープの左手が何かしているのです!酷い話。


当然。幽体離脱からは直ぐに戻りますけどね。毎度。


ホントナニコレ。

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