逃れられない

俺は現実世界に絶望して、地下に家を作って住み始めた。地中に巨大な空間を作った簡素なものだが、案外心地良い。どんな酷い現実でも忘れそうなほど。今日はもう少し空間を広げようと横に掘り進めていったら、デカい箱が出てきた。

 

中には、行方不明になっていた恋人が衰弱した状態で入っていた。

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